フォーミュラEシーズン5 2018/19今最も熱いフルコンタクトの自動車レース「フォーミュラE」

フォーミュラEシーズン5 2018/19
フォーミュラEのシーズン5がスタートしている。すでに2戦を消化し開幕戦のサウジアラビア、第2戦のモロッコ・マラケシュでのレースが終わった。そして今夜(2/26)は南米チリのサンティアゴで第3戦が開催される。今季の注目は何と言っても日本メーカーの日産がワークス参戦していることだろう。2戦を終えてチームランキングは5位だ。また、日産同様、世界の自動車メーカーがどんどん増えてきているのもフォーミュラEの特徴だ。

第2戦モロッコ・マラケシュのスタートシーン

ワークス参戦が続々と

シーズン5にメーカーとして参戦しているのは、日産のほか、アウディ、BMW、DS、ジャガー、インドのマヒンドラが参戦し、来季はメルセデス・ベンツとポルシェも参戦してくる。また、Tier1として有名なZFやシェフラー、マグナなども参戦している。この他に半導体や基盤の開発など、EVレースならではの企業、ルネサスなども実は参戦し、11チーム22台が参戦している。

シーズン5からGen2マシンで日産がワークス参戦開始

第2戦のマラケシュではマヒンドラ・レーシングチームが優勝したが、ルネサスのプロトタイプモジュールが好結果をもたらしたようだ。つまり、統一規格のモノコック、シャシー、ボディ、バッテリー、タイヤという中で、他チームにアドバンテージとなるのはエネルギーマネージメントがキーになる。

第2戦で優勝したジェローム・ダンブロージオ

そのエネ・マネの重要なポイントになるのがインバーターで、そのインバーターの開発、基盤技術にルネサスのノウハウが投入され、今回は成功したということになる。

これまでフォーミュラeでは、ある程度の距離でレースをするにはバッテリー容量が足りず、レース中にマシンの乗り換えという珍事が常套化していたが、このシーズン5に来て容量十分となっている。マシンはGen2と呼ばれ、第2世代に切り替わっている。そして開幕からの2戦を見る限り、レース中にスロットルを抜いて回生し充電するようなシーンはなく、全開でレースしているようには見える。ちなみにシーズン5のレースは45分+1周で争われている。

アウディアプトシェフラーは、ルーカス・ディグラッシとダニエル・アプトの二人

マシンには回生が必須であり、ドライバーは様々なコントロールをしながら走行しているというが、外から見ている限り、エンジン車と同様にレースしているように見える。回生コントロールによってシラけるどころか、激しいバトルに興奮する。ストリートレースということもあり、道幅は狭く、どうしてもマシン同士がぶつかることが多い。そうしたフルコンタクトも多く、喧嘩レースなのかと思わせるほど激しさはハンパない。

パナソニック・ジャガーはネルソン・ピケJrとミッチ・エバンス

またレース中、制限されているパワーもアクティベートゾーンという場所を通過するとパワーが25%アップするアイディアやファン投票でパワーアップできるFAN Boostといった取り組みも面白い。

時代は動いた F-1ドライバーも参戦
一方、ドライバーリストにも注目だ。2018年までメルセデスのF-1チームで走っていたストフェル・バンドーンが参戦している。バンドーンはメルセデスの秘蔵っ子と言われているだけに、来季から本格参戦するメルセデスチームで走るのは間違いない。その布石として今季はひと足先に、メルセデスのサテライトであるWHAチームで参戦している。

他にもフェリペ・マッサ(ベンチュリーZF)が参戦し、ネルソン・ピケJr(パナソニック・ジャガー)もいる。日産はセバスチャン・ブエミを走らせ、トヨタのWECマシン、WTCCのワールドチャンピオンを獲得したホセ・マリア・ロペスもGEOXドラゴンで走っている。日本でもおなじみ、アンドレ・ロッテラーはDSテチータチームで走っているが、これが泣かせることにゼッケン「36」。日本で走っていた時の番号だ。そして意外にも暴れん坊将軍という一面もある。

こうしたドライバーを見てもこれからの中心的モータースポーツに成長することは間違いないし、ドライバーの契約金はF-1並に高騰しているという噂すらあるのだ。

残念ながら日本での開催はないが、隣国の香港、韓国、中国では開催される。そして最終戦はニューヨークで2戦行なわれ全13戦でシリーズチャンピオンを争う。2019年大注目のレースとして要チェックだ。

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