2019年「スーパー耐久アジア」を新たに設立

2018年11月23日、スーパー耐久シリーズが新たに「スーパー耐久アジア」を立ち上げ、あらたな取り組みを始めるというリリースが届いた。

右)マーチ―リー、左)アレックス ユーンの両氏がスーパー耐久アジアのアドバイザーに。中央)スーパー耐久機構事務局長 桑山晴美氏
右)マーチ―リー、左)アレックス ユーンの両氏がスーパー耐久アジアのアドバイザーに。中央)スーパー耐久機構事務局長 桑山晴美氏

以下にリリースを転載するが、今のところ詳細はまだ決まっていないが、60台にもおよぶ出走台数を誇るS耐が、さらなる進化を遂げ、エントラント、観客が楽しめるレースとして発展を目指すとしている。

計画には、日本チームはアジアのレースに自由に参戦できることや、土曜日の夕刻から夜にかけてのレースにするなど興味深いものがある。また、多くのアマチュアドライバーが参戦しやすいレギュレーションの見直しなどもあり、改革が行なわれていくようだ。

以下スーパー耐久アジアのリリースより

多くのアマチュアドライバーがモータースポーツを楽しむ場として、日本で27年の歴史を重ねてきた耐久レース「スーパー耐久シリーズ」が、2019年、「スーパー耐久アジア」を立ち上げる。

設立メンバーは、事務局長の桑山晴美、2018年よりスーパー耐久にも参戦、アジアのモータースポーツ界をけん引するマーチー リー、そして同じく2018年よりスーパー耐久にドライバーとしても参戦している元F1ドライバーのアレックス ユーンを、スーパー耐久アジアアドバイザーに迎える。

2018年のスーパー耐久は、富士24時間大会を開催し成功、タイヤワンメイクサプライヤーとしてピレリとのパートナーシップを結ぶなど、話題多き1年を送ってきた。

「スーパー耐久」は、最小限の範囲で改造を許可する市販車両が、排気量や駆動方式別のクラスに分けられている。2011年からは、FIA GT3車両、2017年からはGT4車両、TCR車両が参加できるクラスも新設され、今では合計8クラスから編成されている。
近年の年間エントリー台数は、過去最大となる60台前後を保持、アジアのチームやドライバーも、エントリーリストに名前を連ねるようになってきた。富士24時間大会だけでなく、各サーキットの特色を生かしたレースフォーマットが用意されており、2019年からは、鈴鹿10Hもシリーズのスペシャルラウンドとして加えられ、「ST-X」クラスのGT3車両のみが参戦できるようになる。また、新設されたTCRやGT4も大切にしていきながら、歴史に裏打ちされる独自のクラスST2〜5クラスをより強化していくために、車両規則をもっとシンプルにわかりやすくしていくことにも着手していく。

スーパー耐久は、レースはガチンコ勝負、でも「楽しさ」を忘れないレースの代表格として、27年の歴史を生き抜いてきた。パドックやピットでは、ライバルたちがひしめきあっても、楽しさに満ち溢れている。それを、多くの参加者や来場者は、スーパー耐久独自の「ゆるさ」と表現する。

近年、速度差のあるレースだからこそ、安全面にも力を注ぐ。2018年の完走率は、平均約90%。規則で縛るだけでなく、さまざまな独自の施策を実施し成果を上げている。多くのドライバーたちも協力、このレースに関わる全ての人々が、「スーパー耐久」をこれから先もつないでいこうという気概に満ちている。

スーパー耐久アジアでは、香港にも窓口を設ける。近い将来、アジアの方々を、日本のスーパー耐久で乗りたいチームや車へ紹介するシステムも確立したいと考えている。「スーパー耐久とは?」を知っていただくために、象徴となる大会を1戦、開催することも予定されている。この大会は、多くのジェントルマンドライバー、アマチュアドライバーがより参加しやすいレースとして位置付けるため、STX(GT3)クラスを除くクラス編成にて展開される。日本のチームがアジアに渡り、参戦しなければならないシリーズ戦にはせず、日本のチームは自由に参加でき、招待チームも作る予定。またこのスーパー耐久アジアの1戦に出場したアジアチームは、日本のスーパー耐久に特別参戦できる仕組みなども考えられている。日曜日は観客も参加者も休むことができるよう、大会は、土曜日の夕刻から夜にかけての耐久レースにしたいとしている。

■事務局長 桑山晴美
今、目まぐるしいスピードで世の中が変わってきている中で、大事なのは、感性と勘、スピードと実行力。それに相応しいパートナーとめぐりあえたことで、今まで以上にスーパー耐久に力を注ぎたい。これから車業界は大きな変革の時を迎える。だからこそ、趣味性の強いレースの価値を次世代につなげていきたい。またその裏側で未来に照準を合わせた新しい斬新なプランにも挑戦していく。

参加型レースでも、観客の皆さんが足を運んでくれることにも、引き続き挑戦していきたい。この数年で、チームの皆様、ファンの皆様、我々が一体になっていることをより感じている。それをアジアにも広げていきたい。参加してくださるアマチュアドライバー、ジェントルマンドライバーのためにも、少しでも観客がいる環境を作りたいと思っている。これからも常識にとらわれずに、何が「今」なのかを考えて発展させていきたい。

■マーチー リー/スーパー耐久アジア アドバイザー
フェニックスレーシングアジアとして今年、スーパー耐久に参戦をした際、このシリーズがどれだけ多くの人々に愛されているかを目の当たりにして、とても驚いた。このシリーズは、プロとアマチュアのドライバーやチームが、いっしょになってレースを楽しむことができるパーフェクトバランス。皆がお互いにリスペクトし合い、レースそのものの質も非常に高い。約60台がスタートグリッドに並んだ姿は、忘れがたい光景だった。このレースは、まさにアジアの人々が求めているレースだ。

■アレックス ユーン/スーパー耐久アジア アドバイザー
アジアでは、多くのチャンピオンシップが開催されているが、ショーとしては楽しいけれども、ローカルの人が自分たちで楽しめるレースは、ほとんどないに等しい。しかし、スーパー耐久は、誰もが気軽に参加できる。僕たちには、ローカルの企業に対しても、貢献できるレースが必要だ。まさにそれがスーパー耐久である。

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