【パイクスピーク】EVクラスは大波乱 奴田原/トヨタと増岡/三菱 i-MiEV エボのガチンコ対決

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EVクラス5位入賞の「Mitsubishi i」はほぼ市販車状態のi-MiEVで参戦

米国コロラド州で7月に発生した大森林火災の影響で、例年より約1ヶ月遅れの2012年8月7日から12日にかけて「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(以下パイクスピーク)2012」が開催された。 今年のEVクラスは日本勢同士の激しいバトルが展開された。過去7回、かつ昨年まで6年連続のアンリミテッドクラス優勝を誇る田嶋伸博が、今年はEVクラスに挑戦するも、決勝ではまさかのリタイヤ。「TMG EV P002」を駆る奴田原文雄が初参戦でクラス優勝を飾った。

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監督兼任の増岡浩(中央)がクラス2位となった三菱のi-MiEVエボリューション

レース専用に開発された「i-MiEV Evolution(エボリューション)」を擁し、必勝態勢で臨んだ三菱ワークスだが、増岡浩が練習走行中にまさかのコースアウト。修復して決勝に臨んだものの、クラス2位に終わった。また、ベッキー・ゴードンが乗った北米向け市販車の「Mitsubishi i(日本名i-MiEV)」はクラス6位で見事完走を果たした。

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EVクラス3連勝を狙っていた塙郁夫は不本意な結果に

予選では圧倒的な速さを見せつけていた“モンスター田嶋”こと田嶋伸博だが、決勝ではスタート直後にモーターにトラブルが発生し、リタイヤを余儀なくなれた。またEVクラスで2連勝中だった、塙郁夫が乗る横浜ゴムのワークスカーもニューマシンで必勝を期していたが、まさかのクラス5位という不本意な結果に終わった。

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EVクラス優勝を飾ったTMG EV P002も横浜ゴム製タイヤを装着
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TMG EV P002のステアリングを握った奴田原文雄選手はラリーの世界では第一人者

クラス優勝を飾ったのは、ドイツに本拠を置くトヨタ・モータースポーツヨーロッパ(TMG)が製作した「TMG EV P002」を駆る奴田原(ぬたはら)文雄。奴田原は全日本王者に9度輝いた“ランエボ遣いのヌタ”として、日本を代表するラリードライバーだ。マシンに関しては本サイト既報の関連記事を参照されたい。

標高2861mのスタート地点から4301mの山頂を目指し、ガードレールのほとんどない全長約20km、高低差1440mのコースを一気に駆け上るパイクスピークは、EVはエンジン車と違い高度により出力の低下ので条件が有利というメリットがある。ちなみに昨年のEVクラスの優勝タイムは12分20秒084だったので、わずか1年で2分以上も速くなっているのだ。今年は市販車改造クラスから出場したリース・ミレンの「ヒュンダイ・ジェネシスクーペ」が9分46秒164で総合優勝を飾ったが、EVも十分に10分は切れるポテンシャルを予感させた。

パイクスピーク2012EVクラスの画像

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