2012年4月19日、自動車技術会は第62回自動車技術会賞の受賞者を発表した。発表を行った自動車技術会・副会長の塩路昌宏氏(京都大学・大学院教授)は、技術論文の応募数はやや減少したこと、今回は受賞対象が自動車メーカーだけでなくサプライヤーのエンジニアにまで広がったことが新たな傾向だと述べている。なお、今期は学術貢献賞は該当なしとなっている。
・技術貢献賞
「ガソリンエンジン用ポート噴射および直噴システムにおける燃料噴射弁の開発と実用化への貢献」
調 尚孝氏(日本自動車部品総合研究所)
「滑り軸受けの研究開発を通じトライポロジー分野の技術的および学術的発展への貢献」
熊田 喜生氏(大豊工業)
・浅原賞学術奨励賞
「衝撃の頭部6自由度加速度計測による傷害予測法」
金原 秀行氏(豊田中央研究所)
「電動アクティブスタビライザ・サスペンション・システムの乗り心地制御の検討」
神田 亮氏(トヨタ・テクニカルディベロップメント)
「ディーゼルパティキュレート燃焼触媒の開発」
森 武史氏(ホンダ技術研究所)
・浅原賞技術功労賞
「ガソリンエンジンのコンポーネント開発および燃料の規格化等への多大な寄与」
茂木 和久氏(トヨタ自動車)
「自動車用空調装置の研究開発への多大な寄与」
稲垣 光夫氏(日本自動車部品総合研究所)
「自動車用サスペンションシステムの新技術開発に多大な寄与」
武馬 修一氏(トヨタ自動車)
・論文賞
「高分散噴霧と筒内低流動を利用した低エミッション高効率ディーゼル燃焼」
稲垣 和久氏ら5名(豊田中央研究所、トヨタ自動車、豊田自動織機)
「高速回転タイヤの表面歪測定技術開発」
花田 亮治氏ら5名(横浜ゴム、和歌山大学、モアレ研究所)
「遊星歯車式トルク感応型LSDの摩擦挙動に及ぼす粗さとコーティングの影響」
安藤 淳二氏ら5名(ジェイテクト,豊田工機トルセン、豊田中央研究所)
「バイオディーゼル燃料によるデポジット生成への影響評価」
栗山 裕樹氏ら5名(デンソー)
「新開発溶接ワイヤを用いたアルミニウム合金と鋼板の異種接合技術の開発」
松本 剛氏ら4名(神戸製鋼所)
「タイヤ温度特性が車両運動特性に及ぼす影響」
大久保 良輔氏(トヨタ自動車)
「成人および高齢者胸部骨格FEモデルの開発」
伊藤 修氏ら5名(ホンダ技術研究所、ピーエスジー)
「車載式フーリエ変換赤外分析装置を用いたガソリン排出ガス中のN2OおよびCH4の解析」
山本 敏朗氏ら4名(交通安全環境研究所、東京工業大学、岩田電業)
「HFRR試験によるDME燃料の潤滑性評価」
小熊 光晴氏ら4名(産業技術総合研究所、岩谷産業、ウインザー大学)
・技術開発賞
「ゾーンコートにより反応制御した低貴金属三元触媒」
青木 悠生氏ら5名(トヨタ自動車、キャタラー,豊田中央研究所)
「小型トラック用デュアルクラッチトランスミッション(DCT)の開発」
白沢 敏邦氏ら5名(三菱ふそうトラック・バス)
「世界初となる紫外線を大幅カットする自動車用フロントドア強化ガラスの開発」
猪熊 久夫氏ら3名(旭硝子)
「高性能電動パワートレインおよび高応答加速度制御技術の開発」
伊藤 健氏ら5名(日産自動車)
「内燃機関の効率追求によりハイブリッド車並みの低燃費を実現した新型ガソリンエンジン」
富澤 和廣氏ら5名(マツダ)
「世界初標準装備LEDヘッドライト用ヒートシンクのCAE技術を利用した開発」
菊池 和重氏(市光工業)
「希少資源を低減できる耐熱性と低温活性を両立した貴金属シングルナノ粒子触媒の開発」
岩国 秀治氏ら5名(マツダ)
「綺麗を科学した内装防汚および洗浄技術の開発」
高橋 香帆氏ら5名(日産自動車)
・技術教育賞
「小学生、モノ作り教育『キッズエンジニア』事業の拡大と定着に貢献」
キッズエンジニア実行委員会
「企業の枠を超えた『技術者懇談会』発足、進化を通じ技術者の自己成長に貢献」
企業枠を超えた技術者懇談会