経済産業省、次世代自動車振興センターは2024年3月19日、2024年(令和6年)4月1日以降のCEV補助金(対象:(EV、PHEV、FCV)の車両補助額を発表した。
この発表の内容は、厳密には令和5年度補正予算が適用され、令和5年12月1日~令和6年3月31日の令和5年分と、令和6年4月1日以降に分けられているが、令和5年分に関しては従来のCEV補助金がそのまま適用。令和6年4月1日以降では大幅な補助金見直しが行なわれ、さらに超小型モビリティ、ミニカー、2輪車も新たにCEV補助金の対象に追加されている。
そして、大幅に見直された令和6年4月1日以降のCEV補助金は、「車両性能の向上だけではなく、電動車が持続的に活用できる環境構築も必要。そのため、令和5年度補正予算からは新たな補助額の算定方法を導入する」となっている。
つまり従来は電費、航続距離などにより補助金の金額が決定されていたが、今後はそれに加えて、充電インフラ整備、アフターサービス体制の確保や、整備人材の育成、車両のサイバーセキュリティ対策、ライフサイクル全体でのCO2排出削減、リユース・リサイクルの適正な実施や資源の有効活用、さらに外部給電機能の具備や、災害時の地域との協力なども考慮したCEV補助金にするという政策になっている。
そしてCEV補助金を決定するために、車種ごとの点数:最大90点、自動車メーカーごとの点数:最大110点とし、具体的には、評価項目は「①車両性能(配点40点)」、「②充電インフラ整備(配点40点)」、「③整備の体制・質の確保(配点40点)」、「④整備人材の育成(配点20点)」、「⑤サイバーセキュリティへの対応(配点20点)」「⑥ライフサイクル全体での持続可能性の確保(配点20点)」、「⑦自動車の活用を通じた他分野への貢献(配点20点)」の7項目を200点満点で評価し、達成度に応じて普通車EVなら6段階、軽自動車EVは5段階で補助額を決める、ということになったのだ。
そして、得点ごとにCEV補助金をランク分けすることになている。その結果、EVの場合は同等程度の性能のEVであっても15万~85万円と、最大で70万円もの差が出ることになる。
例えば、日産リーフ、アリア、トヨタ bZ4Xなどは満点で補助金は85万円、サクラ/eKクロスは軽自動車で最高の55万円、bZ4Xと共同開発車のスバル ソルテラは65万円と企業姿勢評価により20万円の減額となっている。
輸入車では、テスラ モデル3は従来は65万円であったのに対し、新制度では65万円~85万円に。アウディ Q4、メルセデス・ベンツ EQB、フォルクスワーゲン ID.4などはいずれも65万円。
その一方で、BYD ATTO3は従来の85万円から35万円に、ヒョンデ IONIQ5も65万円から35万円~45万円へ、ポルシェ タイカンは従来の52万円から20万円へと大幅に減額されている。
令和6年4月1日以降の車両別CEV補助金:
https://www.cev-pc.or.jp/hojo/pdf/R5ho/R5ho_meigaragotojougen_2.pdf
また水素燃料電池車に関しては変更なく、140万円台のCEV補助金が得られることになっている。
今回のCEV補助金は結果的には国産大手メーカー優遇となり、一部輸入EVにとっては厳しい状況になっている。また同時にユーザーの立場からすると複雑怪奇な点数システムでわかりにくくなっていると感じられる。