電動モーター、自動車用シャシーダイナモ・メーカーの明電舎と、ドイツの大手エンジニアリング開発会社「FEV」の日本法人「エフ・イー・ヴイ・ジャパン」は2019年3月29日、業務提携し、日本国内における電動車の試験システムの販売契約を締結したと発表した。
明電舎は自動車用のシャシーダイナモ、エンジン・ダイナモメーターの大手で、電動モーターは三菱のEV、PHEVに採用されている。またFEVは各国の自動車メーカーの開発を請け負うエンジニアリング開発＆設計会社で、日本の自動車メーカーも開発委託を行なっている。
今回の業務提携は、電動化や自動運転を主体とした次世代車両への投資が拡大していることを背景とし、自動車のモデルベース開発による設計・開発のデジタル化を支えるため、FEV社のソフトウェアを明電舎の自動車動力計測システムと組み合わせ、2019年4月から日系の完成車メーカー、自動車部品メーカーなどに明電舎が販売する。
FEV社のソフトウェアは、高機能なオープンプログラムとして一般的な性能評価を実行するだけでなく、ユーザモデルを取り込んだ試験環境を構築することができ、自動車関連製品のモデルベース開発を加速させ、業務の効率化や開発期間の短縮を実現することができる。
2019年7月には、明電舎・太田事業所の開発実験棟内に「電動車両用デモベンチ」を新たに設置する計画だ。明電舎製のダイナモメーター、操作計測盤にFEV社のソフトウェアのオートメーションやリアルタイム・シミュレーションを実行する「MORPHEE（モルフィー）」と、複数のシミュレーションツール間の連成シミュレーションを促す「xMOD（エクスモッド）」を組み込んだ新しい試験システムを設置。このデモベンチは販売用のデモンストレーションだけでなく、カスタマーに対し試験サービスを提供する。また明電舎のEV事業用の研究開発用設備としても活用していくとしている。
