日産は2021年6月4日、新型クロスオーバーEV「アリア」の日本専用仕様の特別限定車「アリア リミテッド」を発表し、新たに開設したグローバル統一のオンライン予約サイトを通じて、予約受注を開始すると発表しました。
日本で発売する「アリア」は、66kWhバッテリー搭載車(B6)の2WD、e-4ORCE(4WD)、91kWhバッテリー搭載車(B9)の2WDとe-4ORCE(4WD)の4グレードのそれぞれに今回の「リミテッド」仕様が設定されています。
発売はB6 2WD「リミテッド」が今冬の予定で、その後、順次発売するとしています。また日本以外の世界市場でも、アメリカ、ヨーロッパなどから予約注文を開始する予定としています。
今回発表された「アリア リミテッド」はフル装備仕様で、先進運転支援技術のプロパイロット 2.0、プロパイロット・リモートパーキング」などの運転支援技術を標準搭載。
ボディカラーは、「リミテッド」専用の限定2トーン(バーガンディー/ミッドナイトブラック、シェルブロンド/ミッドナイトブラック)など全5色をラインアップ。
インテリアもフル装備で、パノラミックガラスルーフ(電動チルト&スライド/電動格納式シェード付/リモート機能付)や、プレミアムな質感のナッパレザーシート(ブルーグレー)を標準装備しています。
さらに、「アリア」専用のサウンドシステムであるボーズ・プレミアムサウンドシステムと10スピーカーを標準装備しています。
その他の専用の装備として、エアロダイナミックなデザインのリミテッド専用色19インチ・アルミホイールカバー、スタイリッシュなキッキングプレート(ARIYAロゴ付LED)をフロントとリヤドアに設定。
また、日本の伝統美と先進性を融合した枯山水をモチーフとしたリミテッド専用色フロアカーペットも設定しています。
このように「リミテッド」はフル装備仕様のため、価格は660万円~790万円となっており、おそらく通常のカタログモデルより約60万円高くなっています。が、約80万円のEV補助金が受けられる特典があります。
標準「アリア」の価格は実質購入価格(省庁や各自治体からの補助金を差し引く)は、約500万円からとなる予定と発表されており、エントリーグレードの価格は600万円程度と想定されます。
現在、テスラ・モデル3は434万円~717万円、メルセデス・ベンツEQA250が640万円~720万円で、「アリア」は価格的にはこれらと競合することになります。
「アリア」は2020年7月のワールドプレミアで、2021年の半ばに発売と発表されており、おそらく7月頃に発売されると予想されていましたが、今回半年以上の遅れとなっていることが明らかになりました。
もちろんこの遅延は、新型コロナウイルスの感染が終息していないこと、「アリア」は栃木工場に新設されるインテリジェント・ファクトリーで生産される計画となっているものの工場の新ラインの完成の遅れ、さらに2021年初頭からの深刻な半導体不足などが重なっていることが原因と考えられます。
また搭載されるバッテリーも中国のCATLから輸送され、「アリア」の生産立ち上がり段階での供給量は限定的ではないかと推測できます。
日産は「アリア」の予約受注開始に合わせ、バーチャル・ショールーム兼予約注文サイトとして「クラブ アリア」を開設。現在は日本限定サイトですが、今後はグローバルに開設し、デジタル販売のトライアルを開始します。