【ホンダ】NWGN試乗記 Nシリーズの4番バッターは全部持ってる欲張りハイトワゴン レポート:髙橋 明

マニアック評価vol236
Nシリーズの第4弾はNWGN(エヌワゴン)とNWGNカスタム。N-BOXから始まり、N-BOX+、N-ONEと続き、4番目は軽自動車の中でも最も激戦区に投入するハイトワゴンのカテゴリー。試乗会は都内の青山周辺で日常使いに近い乗り方と首都高速を走ってみてのレポートになる。

NWGNカスタム
NWGN(Nワゴン)カスタムのNAモデル。ターボは標準、カスタム両方に設定される

ハイトワゴンのクラスはスズキ・ワゴンR、ダイハツ・ムーヴの2大ヒットモデルが存在し、そこへ投入してきたのがNWGNである。したがって要求されるものは燃費の良さはもちろん、運転のしやすや、使い勝ってのよい室内、広い室内、安全、軽クラスを超える走りの性能、低価格など非常にハードルが高いカテゴリーでもある。NWGNはそれらの要求にひとつひとつ丁寧に回答を出したモデルと言える。

特に、同じNシリーズのプラットフォームとパワーユニットを使用しながら、燃費を向上させ、走りも良くしている点がポイントだ。自然吸気エンジンでN-BOXは22.2km/L、N-ONEで27.0km/Lに対し、29.2km/Lと燃費を伸ばしている。ターボモデルでも同じく18.2km/L、23.2km/LというN-BOX、N-ONEに対して26.0km/Lにしている。もちろん出力は同じで自然吸気が58ps、ターボが64psである。そして、今回のモデルラインアップではノーマル、カスタムそれぞれに自然吸気とターボモデルが設定されているので、選択の自由度は高い。

NWGNNWGNカスタム

自然吸気モデルでも十分な力強さと加速感はあるので、日常使いに不満は少ないだろう。しかし首都高速などを使用するとややエンジン音が聞こえるのが気になる点か。クラストップレベルの静粛性とは言うものの、自然吸気で高回転になるとどうしても室内に音は入り込んでくる。

一方のターボモデルはエンジンの常用回転域が低く、さらに遮音材なども多く使用しているため静かであり、クラストップレベルは間違いない。もちろんパワフルな加速感もありN-ONEと同等の加速力と謳うように、軽快に走らせることができる。

エンジンとCVTナトリウムバルブ

これまでのNシリーズと同じエンジンとはいえ、多くの改善が行なわれているため、同出力ながら燃費向上させているのだ。代表的な改良点としてはインジェクターを2本したツインインジェクターでより高効率な燃焼をしている。インジェクターを増やすやり方はスズキのスイフトが最初ではあるが、軽のエンジンでは採用しておらず、軽初のツインインジェクター技術となる。他に両針スパークプラグ/高エネルギーコイルも軽初採用で、より完全燃焼しやすくしている。ナトリウム封入式排気バルブの採用も軽初で、冷却効果を高めている。またホンダ初の技術としても点火進角速度変化やヘリカルギヤスターターの採用がある。他にも気筒別点火時期コントロールやNAエンジンは圧縮比もアップさせている。

組み合わされるトランスミッションはCVTで、こちらも軽量化や低フリクション化をしており、また減速時アイドリングストップも採用しているため、大きく省燃費に貢献している。ファイナルギヤもハイギヤレシオ化しデフケースの軽量化、ケース薄肉鍛造技術の適用などにN-BOXと比較し、3.9kgの軽量化ができている。

高剛性ボディイラストNVH吸音材

ボディも超高張力鋼板の1500MPa級のホットスタンプをBピラーに採用するなど、軽量・高強度のハイテン材を多用することで軽量化と高剛性化を行なっている。そのため安全性の分野では軽としは初のJ-NCAP総合評価で5つ星を獲得する実力を持つという。前面、側面、後面、歩行者保護などにおいて高い安全性であるというわけだ。車内では正面i-SRSエアバッグ、i-サイドエアバッグ、サイドカーテンエアバッグなども備えており、クラスを超えた装備を持っている。

ラゲッジラゲッジ

インテリアでは、リヤシートに200mmのロングスライドを設定し、タンデムディスタンスは110mmとクラスを超えた広さを持っている。このハイトワゴンクラスは毎日人を乗せたり多くの荷物を載せたりするユーザーが多いことから、4名乗車しつつも積載量も確保する工夫がある。荷室ではボードを利用し上下に仕切れたり、ガソリンタンクがボディ中心部にあるセンタータンクレイアウトであるため、荷室下部を有効に利用し、ベビーカーを立てて収納できるようにもなっている。

インパネシート

フロントシートの大きさは十分で、ほどよい硬さもあり好感度の高い仕上がり。反面、リヤはやや硬くもう少しやわらかいほうが好みか。また座面に後傾角がないため体の収まりは良くなく、長時間、長距離は辛い。しかしNWGNユーザーの使い方を勝手にイメージすると許容範囲と言えなくもない。インテリア全体のイメージではカスタムは上質感、高級感を意識しただけあって、満足できる出来栄えだ。長距離や高速移動も含め納得できるだろう。ノーマルモデルはN-ONEほど上級感はないが、安物感は感じない。

物置や物入れなども、メーカー自ら「至れり尽くせり」というほど、収納スペースがある。リヤシートアンダートレーもそのひとつで、傘などがスッキリ収納できるようになっている。ドアアームレストも大きく、立派に見える工夫も随所にあり、上質感、本物感、存在感に拘って開発してきた経緯が伺える。

■NWGN価格表

honda nwgn price

■NWGNカスタム価格表

honda nwgn custum price

主要諸元

 

ホンダ公式サイト

ページのトップに戻る