スズキは2025年10月8日、東京ビッグサイトで開催される「ジャパンモビリティショー 2025 」(一般公開日:10月31日~11月9日)の出展概要を発表した。
スズキの出展テーマは、2月の新中期経営計画で発表したコーポレートスローガンである「By Your Side」とし、出展物1つひとつでBy Your Sideを体感できるブース展示、演出を行なう。
ブース内では、軽乗用BEV(バッテリ電気自動車)のコンセプトモデル「Vision e-Sky」、2輪BEVコンセプトモデル「e-VanVan」の2台のワールドプレミアをはじめ、次世代4脚モビリティ「MOQBA(モクバ)2」、船外機など、総合モビリティメーカーとしての技術を集結させている。
出展台数は、4輪車8台、2輪車12台、電動小型モビリティ4台に加え、船外機や事業紹介の車両などを含め計35台が出展される。
その他に、電動モビリティベースユニット、CBG(Compressed Biomethane Gas、圧縮バイオメタンガス)事業の取り組みを紹介するとともに、軽トラック「スーパーキャリイ」の荷台を活用したスズキの用品販売コーナーも展示する。

世界初公開 軽乗用EV「Vision e-Sky」
日常の通勤や買い物、休日の遠出など、軽自動車を「生活の足」として愛用するユーザーの毎日に適合するEVとして、2026年度内の量産化を目指すコンセプトモデル「Vision e-Sky」を展示。航続距離は270km以上としている。
ボディはハイトワゴンタイプで、ボディサイズは全長3395mm、全幅1475mm、全高1625mm。エクステリアは気軽に日常使いができる小さなボディに魅力を凝縮したデザインとし、3本ラインの特徴的な灯火類、フローティングルーフと色分けしたCピラーを採用している。
インテリアも心地よさと使いやすさを両立させたデザインとし、フローティングさせたインパネ/コンソールや、トレーとモニターがつながるアイコニックな形状、そしてサステナブル素材を積極的に使った明るく開放感のある仕上がりとなっている。
商用軽バン「e EVERY CONCEPT」(参考出品)
スズキ、ダイハツ、トヨタの3社で共同開発している、BEVシステムを搭載した商用軽バンのEVモデルで、量産仕様に限りなく近い姿で出展される。

ボディサイズは、全長3395mm、全幅1475mm、全高1890mmで、スーパーハイトのバンだ。航続距離は200kmとなっている。
軽バンとしての使い勝手の良さはそのままに、EVならではの静かで力強い走りを実現するだけではなく、非常時にはクルマの電気を外部に供給するなど、地域社会へ貢献できるモデルとして提案されている。

技術展示 フレックス燃料モデル「フロンクス FFV コンセプト」
スズキはカーボンニュートラルを目指し、マルチパスウェイを提唱しており、その一環としてエタノール燃料を活用した「フロンクス FFV コンセプト」を展示する。すでにインド市場などでは普及しているフレックス燃料車を日本でも展示する。
次世代4脚モビリティ「MOQBA(モクバ)2」(参考出品車>)
ジャパンモビリティショー2023に参考出品した「MOQBA」を技術的に進化させた「MOQBA(モクバ)2」を展示する。

4脚のプラットフォームをベースに荷物配送仕様・バイク仕様など多用途に対応できるバリエーションを提案している。
電動パーソナルモビリティ「SUZU-RIDE 2」(参考出品)
こちらもジャパンモビリティショー2023に参考出品した「SUZU-RIDE」が進化した「SUZU-RIDE 2」を展示する。

日常、商用、レジャーまで、様々な場面で楽しく軽快な気分になるスタイリング、使い勝手の良いラゲッジスペース・簡単で扱いやすい操作により、もっと気軽に移動を楽しみたいという願いを叶える電動小型モビリティとしての提案モデルだ。
その他では、圧縮バイオガス(CBG)事業の展示も行なわれる。スズキは酪農廃棄物の資源化により、インド農村の活性化や各種社会課題解決への貢献と、カーボンニュートラルに向けたマルチパスウェイ実現の両立を図ることができると考え、2022年よりCBG事業に取り組んでいる。

ブースでは、9月にインドで発表した「ビクトリス」のCNG(圧縮天然ガス)/CBG仕様、「ACCESS」をCNG/CBG仕様とした試験車両やスズキがインドの酪農組合と共同で立ち上げたバイオガスプラントのミニチュア模型などを展示する。
また「Glydways」は、オンデマンドの都市交通システムを開発しているスタートアップで、軽自動車並みの小型電動車両を専用レーンで隊列自動運転させる。スズキは「Glydways」と協業し、インフラ整備や運用コスト、車両台数を抑えながら必要な時に必要な台数だけ配車することが可能な、効率的で利便性の高い新しい交通システムによって、世界中の都市の交通問題の解決を目指している。
ブースでは、「Glydways」で使用する車両「Glydcar」の実車や想定される走行シーンなどをパネル展示する。