話題のプロパイロットを設定した新型セレナがデビュー

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新型セレナ・ハイウェイスターG(左)とセレナ X

2016年8月24日、日産は5代目となる新型セレナを発表した。セレナは1991年に初登場して以来、5ナンバーサイズのファミリー向けミニバンとしてリーダー的な存在となった。ここ2年ほどはトヨタ・ヴォクシー/ノアの後塵を拝しているが、今回の6年振りのフルモデルチェンジを受け、ミニバン首位奪還を目指す。

■コンセプトとデザイン

新型セレナは、従来型のプラットフォームを改良して採用し、商品コンセプト「ファミリー・マジカル・プレイグラウンド」を掲げて開発。広さ(BIG)、扱いやすいさ(EASY)、家族で楽しめる(FUN)というこれまで培ってきた基本要素を重視し、より徹底して磨き上げげ、3世代が楽に乗れるミニバンとしている。

エクステリアは、日産デザインのアイコンとなっているVモーション・グリルと2段ヘッドライトを組合わせたフロントマスク、シュプールラインと呼ばれるダイナミックなサイドの面構成を組み合わせることで、日産グローバル・デザインの要素を取り入れたデザインとなっている。またボディカラーは2トーンカラーを含み全13色のバリエーションを設定。

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ハイウェイスターのインテリア

インテリアは左右方向に広がり感があり、高さ方向を低めたインスツルメントパネル、そしてインテリアカラーは5種類から選べる。またメーカーオプションではジャガード織りのグラデーションを実現したプレミアム・インテリア、上級グレードではソフト表皮のインスツルメントパネルとするなど、上質感を格段に高めている。その一方で、USB電源をフロントシートから3列目シートまで合計5個(オプション追加で6個)設置し、コンビニフック、フロントシート背面に大型折り畳みテーブルを設けるなど利便性も大幅に高めている。

セレナ Gのインテリア
セレナ Gのインテリア(メーカーオプションのプレミアムインテリア)

グレード展開は標準モデルが、B、S、X、G、人気グレードのハイウェイスター、ハイウェイスターG、そして4WDモデルとしてB、X、G,ハイウェイスターが設定される。また期間限定で、2017年3月末までプロパイロットを標準装備化した特別仕様車「プロパイロットエディション」も設定。

■パッケージング、使いやすさ

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「広さ」は、クラスNo1の室内長(3240mm)、室内幅(1545mm)を実現している。特に室内長はこれまでより180mm長くなり、3列目シートまで膝回りのスペースを拡大。また広さと同時に、視界の広さも追求している。

ミニバンはAピラーが前進したポジションにあるため、斜め前方の視界は意外と見にくいが、新型セレナはAピラーを細くし、視界を広げる工夫をしている。さらに2列目のシートベルトをシート内蔵式にすることで、3列目シートでも開放感のある視界を実現している。

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足を蹴り込む動作で、自動で開くスライドドア

「使いやすいさ」では、上級グレードに設定されるハンズフリースライドドアを新採用している。電動スライドドアの下側、床下にセンサーを配置し、足先を蹴り込む動作によって自動でスライドドアが開閉するシステムで、両手がふさがっている場合でも開閉できる。

もうひとつ新採用されているのがデュアル・バックドアだ。跳ね上げ式のバックドアの上部だけを独立して開閉できるようになったのだ。このシステムは重量が重くなる傾向があるが、新型セレナは軽量化のために樹脂製の上部バックドアとし、軽い操作力で、狭い後方スペースのときでも開閉できる。

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ガラス部分だけ開閉できる。駐車場での利便性が格段に向上しただろう

ミニバンで重要なシートアレンジでは、シートのスライドにローラーベアリングを新採用し、軽い操作力でシート位置を変更できるように改良された。また3列目シートは、シートクッションの長さ、厚みともにクラストップとし、補助的ではなく快適なシートとしている。

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前後方向に大きくスライドするスマート・マルチセンターシート。前席用にアームレスト、後方にスライドさせると2列目シートが3人掛けとなるなど多用途

シート配列は、前後シートの間で自在にスライドできるスマート・マルチセンターシートを組合わせることで、2-3-3の8人乗りとなる。5ナンバーミニバンで8人乗りはセレナだけだ。センターシートをフロントシート間にスライドさせるとセカンドシートは独立した2人乗りシートとなる。さらにセカンドシートの片側を横スライドすることで3例目シートへのアクセスが2列目シートを倒す必要がなくなるなど、使いやすいシートアレンジが実現している。

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また2列目シートはロングスライド(570mm)、超ロングスライド(690mm)が可能で、このロングスライド機構を使用すると、クラスの常識を超える足元スペースを生み出すことができる。

■走り、快適性

搭載エンジンは従来と同じ自然吸気・直噴のMR20DD型エンジンだが、大幅に改良され圧縮比は11.2から12.5まで高められている。出力は150ps、最大トルクは200Nm。これまで通りXグレード以上にはマイルドハイブリッドのS-ハイブリッド・システムも組み合わされる。モーター・ジェネレーターは2.9ps/48Nmの駆動アシストと減速回生を行なう。

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S-ハイブリッド付きのJC08モード燃費は16.6~17.2km/L、S-ハイブリッドなしで15.0km/L。また今回から4WDモデルにもS-ハイブリッドを設定している。トランスミッションは全車が変速比幅6.9のCVTを搭載している。

シャシーでは電動パワーステアリングを低速ではより軽く、高速では重めとなるようにチューニング。サスペンションのダンパーはサイズをアップするとともに低速域でやわらかくして乗り心地を向上。車内騒音は、リヤのホイールハウスに吸音材を採用し、特に2列目、3列目シートの静粛性を高めている。

■安全運転支援システム

既報のように、カメラを使用して、アダプティブクルーズコントロール、車線維持操舵アシスト、渋滞時・自動追従、衝突回避エマージェンシーブレーキなどアクセル、ブレーキ、ステアリングを自動制御する「プロパイロット」をメーカーオプション設定。

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プロパイロットはシングルカメラにより前走車追従、車線維持、自動加減速など多機能な支援システムを構成

これらの設定は、ミニバン・クラスでは初となる。日産は国内量販モデルから、こうした運転支援システムを普及させる戦略だ。なお2017年3月末まで期間限定でプロパイロットを標準装備化した特別仕様車「プロパイロットエディション」も販売される。

プロパイロット
この他に運転支援システムとして、インテリジェント・パーキングアシスト、カメラ映像によりクリアな後方視界を確保できるスマート・ルームミラー、クルマの周囲をモニターに表示するアラウンドビューモニターなどもメーカーオプションとして設定されている。

新型セレナ諸元表

価格表

■オーテック・バージョン
なお、8月24日から新型セレナ オーテック「ライダー」、新型セレナ「ステップタイプ」、福祉車両の「ライフケアビークル」も発売する。「ライダー」は人気のオーテック・カスタム車で、クラスを超えた存在感を訴求。エクステリア、インテリアをトータル・コーディネイトしている。エクステリアではフロントバンパーにブルーホールLEDを、インテリアは専用表皮、専用ブルーステッチを採用している。

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新型セレナ「ライダー」専用の具率、フロントバンパーなどを装備

また、ステップタイプは、助手席、2列目シート、3列目シートへ乗り降りする人のための自動せり出し式ロングステップを採用。ステップにはLED照明も装備されている。

 

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