日産自動車とイトーキは2022年4月13日、後部座席スペースで快適にテレワークができるモバイルオフィスカー「MOOW(ムーウ)」を共同開発したと発表した。この商品は、2022年度内の発売を目指して両社でさらなる開発を進め、日産の販売会社での販売を検討している。
なおこの商品は、4月26日(火)〜28日(木)に開催される日本初上陸のドイツ発オフィス家具メッセ「オルガテック東京2022」ワークプレイス トレードショーに出展されることになっている。
依然として継続しているコロナ禍で、オフィスでの就業や通勤ラッシュ時の公共交通機関での移動を敬遠する人が少なくない中、プライベート空間を確保できるクルマの活用が注目されている。
しかし車内でのテレワークは十分なスペースを確保できない、という課題もある。そこで日産とイトーキは、車内での快適なテレワークを実現するモバイルオフィスカー「MOOW」を共同開発したのだ。
「MOOW」は、使い勝手の良さで好評を得ている「NV200バネット」をベースに特殊用途車両を作り上げてきた経験と、イトーキがこれまで培ってきた人間工学に対する知見とオフィス設計の経験を生かし、車内デザインを行なっている。
後部座席部分を丸ごとテレワークスペースとして確保することでスペースの手狭感を解消。取引先への訪問が多い営業職の方はもちろん、自宅とワークスペースを切り分けて、より集中できるテレワークの就業環境を確保したい会社員や個人事業主の方など、多くの働く人達が活用できるようになっている。
特長は、ベース車のNV200バネットVAN GXグレードの室内の快適性を保つために、日産が開発した高性能のリチウムイオン・バッテリーを搭載。走行時の充電も可能とし、エンジンを停止した状態でもテレワークに必要な電力の供給が可能となっている。快適なワークスペースに欠かせない冷暖房機器も5時間(600W/h稼動時)程度は継続使用することができる。
車内後部のスペースは人間工学に対応した理想の姿勢をとることができる後傾姿勢で座るデザインを採用。車内の照明はオンラインミーティングに適した環境が実現できる間接照明を搭載している。
またデスク天板は着席しやすいように可動式で、ノートパソコンの使用に配慮されたサイズとし、スマートフォンを差し込むことでハンズフリーで、ビデオ通話ができるスリットも設置されている。
そしてタイヤハウスを活かしたサイドテーブルには、後傾姿勢で足を乗せることができる格納式のオットマンが収納されていいるなど居住性を高める工夫をしている。