
2025年8月26日、R35型GT-Rの最終生産車がラインオフした。
各パーツサプライヤーとメディアが集まった栃木工場の生産ラインには、最後の1台となるR35 GT-Rが、18年の歴史を感じさせるオーラとともにたたずんでいた。

R35GT-Rは、1969年から続くスカイラインGT-RのDNAを受け継ぎつつ「いつでも、どこでも、誰でも、最高の喜びと経験を与えてくれる、究極の性能を誇るスーパースポーツ」として2001年にコンセプトモデルを発表。その後、2007年に発売され、2025年までの18年の間で、全世界に向けて約4万8000台(日本国内向けには約1万7800台)生産されたニッサンを代表するフラッグシップスーパーカーだ。
第一世代や第二世代のスカイラインGT-Rとは異なり、あえてフルモデルチェンジを行わずに技術を深化させていったのも特徴。最終的にGT-R NISMOにおいて600ps(441kW)の出力を得たVR38エンジンは、選ばれし9人の匠のみが手作業で組み立てを担当するなど、世界最高峰のスポーツカーとしてワールドワイドなクルマ好きを熱狂させてきた。
中でもニュルブルクリンクのノルドシュトライフでのタイムアタックは、ファンにとってもうれしいニュースを連発。2007年の7分38秒を皮切りに、2008年には7分29秒、2009年に7分26秒と続々記録を更新。そして2012年には7分18秒と、ポテンシャルを高めていったのはご存知のとおり。
また日本での速さの指標である筑波サーキット・コース2000のタイムアタックにおいても2024年1月に量産車最速である59秒078を記録しているほか、2016年には時速304.96km/hで史上最速ドリフトとしてギネス世界記録を樹立。ライバルを圧倒するパフォーマンスを見せつけてきた。


このようなイベントが行われるのは異例なことで、イヴァン・エスピノーサCEOも「18年間の長きにわたり、R35 GT-Rは自動車史に不朽の足跡を残しました。その輝かしい歴史は、私たちのチームと世界中のお客さまの情熱の証です。この特別なストーリーの一部を担ってくださった皆さまに感謝します。GT-Rファンの皆さま、これはGT-Rとの永遠の別れではありません。GT-Rは、いつか再び皆さまのもとに戻ってくることを目指していますが、GT-Rの名前には高い期待が寄せられており、真に特別なクルマにのみ与えられるものです。R35はその基準をさらに高く引き上げました。したがって、皆さまには辛抱強くお待ちいただくことをお願いしたいと思います。現時点で正確な計画は確定していませんが、GT-Rは進化し、再び登場するでしょう」とコメント。R36型への期待を持たせる内容で希望を残してくれた。

最終生産車の仕様は「Premium edition T-Spec」でミッドナイトパープルにボディを染められた1台。日本国内のユーザーに届けられるという。






