日産は2019年4月17日、6月に発売予定の「GT-R」の2020年モデルを発表した。また同時に「GT-R NISMO」を公開した。
GT-R 2020年モデル
今回発表された2020年モデルは、GT-Rらしい速さの質を追求し、加速やハンドリングを一段と熟成している。
1台1台手組みされる3.8L・V型6気筒24バルブ・ツインターボエンジンは、従来は「GT-R NISMO」に装着されていた「アブレダブルシール」（ターボ翼とターボ・ハウジングのクリアランスを究極的に縮小したターボ）を採用し、ターボレスポンをを向上させた。
また、街乗りからサーキットまであらゆるシーンで、より最適なギア段を選択できるようにRモード専用のアダプティブシフトコントロール（ASC）のシフトスケジュールを変更。コーナー進入時のブレーキングでは、積極的に低いギア段を選択し、再加速時の駆動レスポンスを向上させている。またサスペンションのセッティングも熟成され、鋭い応答性と乗り心地をより高次元で両立させている。
ブレーキは従来よりも軽い踏力で制動力が立ち上がるよう、ブースター特性のチューニングを行ない初期の効き感を向上させ、短いストロークで制動力が立ち上がるようにしている。
ボディカラーには、見る角度により表情を変える新色のワンガンブルーを新設定した。青色の透明ベースに光干渉顔料を追加することでミステリアスな色の変化を生み出すカラーだ。また、職人が一つ一つ手作りで加工した青く輝くチタン製のエキゾーストフィニッシャを採用。ホイールも新デザインとなっている。
【全国希望小売価格（消費税込み）】
| 駆動 | エンジン | グレード | ミッション | 価格 |
| 4WD | VR38DETT | GT-R Pure edition | GR6型デュアル クラッチ |
10,631,520円 |
| GT-R Black edition | 12,539,880円 | |||
| GT-R Premium edition | 12,105,720 |
GT-R NISMO 2020年モデル
GT-R NISMO 2020年モデルは2018年のGT3レーシングカーで採用されている新型のターボチャージャーを装備した。Nタービンブレードの枚数を減らすと同時に最新の流体・応力解析を用い、形状を徹底的に見直すことで出力を落とすことなく、レスポンスを約20％向上させている。これにより、コーナー立ち上がり時などでアクセルを踏み込んだ際の立ち上がり加速性能を向上させている。
またエンジンフード、フロント・フェンダーにカーボン素材を採用し、車両を軽量化。さらにルーフはカーボン素材の間に、より低比重の材質を挟み込むサンドウィッチ構造を採用し、さらなる軽量化を図り、これらのアウターパネルで約10.5kgの軽量化を実現している。
インテリアでは新開発のレカロ製シートを装備。ドライバーの肩甲骨から脇腹、骨盤を安定して支えることができる。シート構造はカーボンシェルにコアフレーム構造を追加することで軽量化をしながらシート剛性を向上。これにより、ドライバーはクルマの動きを手に取るように感じることができるようになっている。
GT3レーシングカー用と似たフロントフェンダーのエアダクトは、エンジンルームからの熱を逃がすだけでなく、エンジンルーム内の内圧を下げ、エアダクトの排出風によってフェンダー外表面の流速を下げることでフロントのダウンフォースを増加させている。
ブレーキは新開発した世界最大級のサイズの超高性能カーボンセラミックブレーキを装備。世界トップクラスの制動性能はもちろん、サーキットにおける高Gでの効きの良さと、一般道などでの低Gでのコントロール性の両立を実現している。このブレーキローターの大径化に合わせて、高剛性キャリパーのピストン配列を最適化。ブレーキパッドも新しい摩擦材を開発し、高負荷状況だけでなく日常的な使用においても圧倒的な制動力と優れたコントロール性を実現している。この新開発のカーボンセラミックブレーキと、カーボン製の外装部品やレカロ・シートなどを合わせて、車両全体で合計約30kgの軽量化を果たしている。
ホイールは9本スポークが特徴の軽量で高剛性な鍛造アルミホイールを新採用。さらに新開発のハイグリップゴムを採用し走行中の接地面積を最大化したハイグリップタイヤを新たに装着している。これに合わせ電子制御サスペンションも改めてチューニング。軽量化したブレーキなどによりばね下重量を大幅に削減し、ロードホールディングを高めている。
なおこの「GT-R NISMO」2020年モデルは、5月中旬から先行予約受付を開始する。
