日産自動車は2017年9月27日、「日産アートアワード2017」のグランプリに藤井光氏を選出した。
今回、藤井氏が取り組んだのは「日本人を演じる」というテーマで行なわれたワークショップの記録映像や資料を組合せたインスタレーション。さまざまな歴史認識や多様性に関する考え方や振る舞いが映し出され、作品鑑賞者にも大きな問いを投げかける作品となっている。
グランプリを受賞した藤井氏は、「出演者や本作に関わった数十名の協力なくしては実現できない作品だった。約100年前の実際の出来事を再現したワークショップと作品を通じて、過去の私たちと現在の私たちは、何が同じで何が違うのか、じっくり考察してもらいたい」とコメント。また日産アートアワード2017の審査委員長である南條史生氏は、審査総評として「今回のファイナリストは皆、自分の作品に実直に向き合っていたことが印象的だった。その中でも藤井氏の作品は、異文化と交流し始めた頃の非常に複雑な日本の史実を取り上げ、ワークショップという手段を通じて、強いメッセージと問いを投げかけた。現在の世界情勢とも呼応し、日本のみならず文化や国籍を超えて様々な人に響く素晴らしい作品だった。」とコメントしている。
日産自動車会長 カルロス・ゴーン氏
「日産アートアワードは、日本の文化発展の助力になることを目指して2013年に発足しました。この賞を通じ、有望なアーティストの作品をより多くの方に見ていただき、その才能を伸ばすための援助を得られる機会を与えたいと考えています。すべてのファイナリストを称え、これからのご活躍に期待しています」
藤井氏の作品も含むファイナリスト5名の作品は、横浜のBankART Studio NYKで開催中の「日産アートアワード2017:ファイナリスト5名による新作展」にて11月5日まで展示中。