日産自動車株式会社は9月29日、 2016年パリモーターショーにて、インフィニティブランドから未来のクルマを示唆するコンセプトカーと革新的なエンジン技術を世界初公開した。
■20年の研究の時を経てデビューした画期的なVC-Tエンジン
新開発となる2.0Lターボの「VC-T(バリアブルコンプレッション・ターボエンジン)」は量産エンジンとして世界初の技術である、可変圧縮比機構を採用したもの。このエンジンは走行状況やドライバーによるインプット情報に合わせて、ピストンの上死点の位置をシームレスに変化させることができる最新のマルチリンクシステムをクランク基部に活用していて、高過給時には圧縮比を8.0:1(高出力)を使用し、燃費効率を追求するときは14.0:1の圧縮比で稼働する。
最高出力200kW(268hp/272ps)、最高トルクは390Nmを発生するこのエンジンは、同等の出力となる6気筒ガソリンエンジンと比べて、軽量かつ高効率であるところがとポイントとなっている。また騒音や振動の少なさという部分でのメリットもあり、高性能2.0Lガソリンターボエンジンのパワーと、ディーゼルエンジンの特長である高いトルクと効率性を併せ持つ、これまでにない最先端のエンジンとなっている。
編:より詳細な情報を得て再度、考察してみたい。
■インフィニティ
インフィニティQXの次世代ビジョンを示しているのが「QXスポーツインスピレーション」というコンセプトカー。パワフルなプロポーションの外観イメージが特長で、ホイールは22インチサイズを採用。インテリアは流れるようなラインとレザーのアクセントが洗練されたイメージをもたらしている。
Q50の2017年モデルのポイントは、セミアニリンレザーを採用した内装を持つ「デザイナーパック」の追加。これにはグラファイトとジャバブラウンの2色が追加されている。さらにオープンポア仕上げのダークウッド化粧板や、ダーククロームトリム、ブラックルーフラインニングも採用。13個のスピーカー搭載に加えて、まったく新しい電子アーキテクチャーと高性能コンポーネントを特長とするボーズの新型サウンドシステム「パフォーマンスシリーズ」もオプションとして追加が可能となっている。この2017年モデルのQ50は、2016年後半の発売が予定されている。
なおインフィニティでは、一部の市場向けに、スマートフォン用アプリケーションサービス「InTouch」を通じて、遠隔で所有車に搭載され各機能をコントロールすることができる新テレマティックコントロールユニットを2017年モデルに搭載した。これには遠隔でエンジンを始動させる機能や、車両の位置検索、盗難車両の追跡などの新機能も搭載されている。