日産は8月4日、2013年の東京モーターショーで発表したコンセプトカー、「日産 ブレードグライダー」のプロトタイプモデルをリオデジャネイロでワールドプレミアした。
「新たな運転の楽しさやワクワク感をもたらす効率的で高揚感のあるEV」「静粛性の高いエレクトリックパワートレーン」「高性能な三角翼航空機のように空力性能に優れた形状がもたらす“滑空するように”走るクルマ」がブレードグライダーが示すビジョンだ。
2年間におよぶ設計、開発を経て同車は、最先端のEV性能の可能性を持つエキサイティングなクルマへと進化し、ワクワクしたモビリティを実現する「日産 インテリジェント モビリティ」を体現するモデルとなった。
最先端のシャシー形状を用い、幅の狭いフロントトレッドと幅広のリヤトレッドの斬新なスタイルは高い空力性能と安定したハンドリングを実現。ハイウエストなリヤヒンジの二面角ドアは、ドラマチックな乗り降りを演出しながらも、オープンルーフはロールオーバープロテクション構造を採用することにより補強され、クーペの安全性を確保しながらオープントップレーシングカーの高揚感が味わえる。
矢先形状の車体部分に設置された運転席には、広々としたレッグルームが広がる。継ぎ目のないウィンドスクリーンを採用することで、どの座席からもパノラミックな景色が広がる。
専用のステアリングには、バッテリー残量、速度、回生モード、トルクマップなどを表示する最新型ディスプレイを搭載。また、センターディスプレイの左右に配した2つのスクリーンには、フロントホイール後方に搭載したカメラにより斜め後ろの映像を映し出す。
ブレードグライダーは高い走行性能も特徴。技術面で提携したWilliams Advanced Engineering（本社：英国）が開発したバッテリー・モーター技術が採用されている。左右のタイヤにそれぞれ設置した130kWの電気モーターが強力な加速を実現。プロトタイプながら0-100km加速は5秒、最高時速は190km/hに達する。
また、左右のリヤホイールのトルクを自在にコントロールできるため高いハンドリング性能も実現。アンダーステア時には、より大きいトルクを自動的に外側の駆動輪に与えることで、アンダーステアを抑制することができる。トルク制御だけでなく「off」「agile」「drift」の3つのモードを用意されているのも楽しい。
カルロス・ゴーン社長は「このプロトタイプモデルは、運転の楽しさを追求すると同時に環境に対する責任を果たす『日産インテリジェント・モビリティ』の拡充を目指す日産の意気込みを表している。ゼロ・エミッションの将来を待望しているクルマ好きのお客さまにとって、『日産 ブレードグライダー』は完璧な電気自動車であると確信している」とコメント。
公開した2台のブレードグライダーは、1台をオリンピック・パーク内に常設展示し、もう1台をメディアやVIPの試乗に使用する予定だ。
