【日産】トヨタ、ホンダも実用化を目指す全固体電池とは 2028年度までに搭載車EVの市場投入目指し米企業LiCAPと協業

日産自動車は2025年8月20日、全固体電池(ASSB)の電極の正極側生産プロセス技術開発にあたり、アメリカのLiCAP社とパートナーシップを締結したことを発表した。

LiCAP社は、バッテリー関連技術開発企業で、特にリチウムイオン電池でドライ電極製造の映像技術のリーダーとなっている。ドライ電極製造の特許を持ち、ウルトラ・キャパシター、リチウムイオン電池、全固体電池、ナトリウムイオン電池の分野に技術展開している企業だ。

高性能で低コスト・低環境負荷の全固体電池を実現するためには、ドライ電極プロセスの実現が一つのポイントとなっている。ドライ電極プロセスは、旧来のリチウムイオン電池のような溶剤を使ったウェット電極プロセスとは異なり、有機溶剤の乾燥・回収が不要で製造コストの低減と環境負荷の低減に大きく貢献する技術だ。一方でドライ電極プロセスは将来の量産化を想定すると生産効率が課題となっていた。

今回パートナーシップを締結したLiCAP社は「Activated Dry Electrode」という独自のドライ電極プロセス技術を持ち、日産は正極材の材料開発や性能評価など技術開発を協業することで、ドライ電極プロセスの生産効率の向上を図るとともに、高性能かつコスト効率の高いASSBの実現を目指す。

日産は、2025年1月より全固体電池のパイロット生産ラインの稼働を開始し、2028年度までに自社開発の全固体電池を搭載したEV市場投入を目指して開発を進めている。

全固体電池の実用化は、日産以外にトヨタ(2027年に市場投入)、ホンダ(2027年~2028年市場投入)も目指している。またアメリカのスタートアップ企業、中国の大手電池メーカーも量産化を目指している。

また、全固体電池の実用化にあたっては、生産コストの高さと耐久信頼性の確保という2つの技術的なハードルを超える必要性があり、どこが最初にこのハードルをブレイクスルーできるかが注目の的になっている。

LiCAP 公式サイト

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