日産自動車の子会社「中東日産」は、2024年9月3日、新型フルサイズSUV「パトロール」を発表した。
日産の内田誠CEOはアラブ首長国連邦アブダビで開催されたワールドプレミアに登壇し、「新型パトロールは、今まで培ってきた伝統を受け継ぎつつ、比類ないパフォーマンス、最先端の技術、そして圧倒的な存在感を融合した、SUVの在り方を再定義する大胆な飛躍を遂げたモデルです」と語った。
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新型パトロールはEセグメントの3列シートSUVで、メイン市場となる中東地域では日産のフラッグシップとなる。また中東市場でシェアの高いトヨタ ランドクルーザー、レクサスLXへの対抗モデルと位置づけられている。
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新型パトロールのボディサイズは、全長5350mm、全幅2030mm、全高1945mm、ホイールベース3075mm。最低地上高は244mm/253mm。タイヤは265/70R18、275/60R20、または275/60R22サイズのオールシーズンを装着している。
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これまでの7世代継続したパトロールの伝統を継承しつつ先進を強調したエクステリアは、強靭性さや信頼耐久性の高さを感じさせ「unbreakable(壊れることのない頑丈性)」を体現している。
フロントのVモーショングリルの左右に配したC形のヘッドライトは、アダプティブ・ドライビングビーム(ADB)技術を採用。さらに、22インチのアルミホイールは路上での存在感を高めるだけでなく、優れたオフロード性能に必要なロードクリアランスも実現し、その堂々とした佇まいを引き立てる役割も持つ。
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インテリアは、2つの14.3インチのディスプレイを配したインフォテインメントシステムはGoogleビルトインを搭載した日産コネクト2.0を採用。これにより、ナビゲーション、セキュリティ、エンターテインメントが一つのプラットフォームに統合され、オーナーとのデジタルライフと車両の連携をよりシームレスに行なうことができる。
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ディスプレイには、障害物やナビゲーションのヒントをリアルタイムで投影するInvisible-to-Visible(バーチャル透視表示)技術を採用している。「ウルトラ ワイドビュー」機能により視野は170度にまで拡大し、「インビジブル フードビュー」機能により車両の真下を透過して確認できるようになるなど、オフロードや狭いスペースでの視界を確保している。
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また、新たに搭載した「バイオメトリック・クーリング」により、内蔵された赤外線センサーが乗員の体温を検知し、温度と風量を自動で調整して快適な車内環境を保つことができる。さらに、12個のスピーカーからなる「クリプシュ製プレミアムオーディオシステム」、64色から選べるアンビエントライトシステムも装備。インテリアはクラス最高の広さを誇っている。
パワートレインは、VR35型3.5LのV6ツインターボ・エンジンで最大出力425ps、最大トルク700Nm。従来の自然吸気V8エンジンと比較して出力で7%、トルクは25%向上し、燃費も大幅に改善。9速ATを介して伝達されたその動力が路面を捉え、市街地から険しい地形に至る様々な地形で意のままの走りを実現する。
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また、走行シーンによって適切な車高に調整することを可能にした「アダプティブ・エアサスペンションシステム」を標準装備としている。通常走行時は車高を下げることで空力性能を確保し、乗員の乗降時はより車高を下げて乗り降りや荷物の載せ降ろしが容易にできる。
ドライブモードは、標準、砂地、岩場、轍、エコ、スポーツの6種類から選択できる。また、日産初採用の4WDトランスファーモード・インターロックシステムにより、シームレスなモードの切り替えが可能だ。
運転支援システムは、「プロパイロット」が中東地域で初採用され、車速調整や車線維持に加え、ナビゲーションデータを活用してカーブやインターチェンジでの車速を自動調整する機能も備えている。
新型「パトロール」は、2024年11月1日からアラブ首長国連邦、サウジアラビア、中東地域の日産系の販売店で販売を開始する予定だ。価格は6万5000USドルからとなっている。