日産自動車の高級車ブランド、インフィニティは2024年3月20日、フラッグシップとなるフルサイズの3列シートを持つ新型クロスオーバーSUV「QX80」をアメリカで発表した。なお、新型「QX80」は3代目で、2025年型モデルとなる。
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新型QX80のボディサイズは、全長5364mm、全幅2116mm、全高1945mm~1978mm、ホイールベース3073mで、アメリカ市場でのフルサイズ・クラスだ。また、最低地上高はSUV性能も重視した244mm~254mmとなっている。
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エクステリアのデザインは、「Artistry in Motion」を体現し、車体の前面にインフィニティを象徴する新デザインのシグニチャーであるダブルアーチグリルを取り入れ、より立体的にエンブレムを引き立てている。
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また、日本のおもてなしを体現する「INFINITI Light Path」を採用。インテリジェントキーを持ってクルマに近づくと、フラッシュドアハンドルが自動的に出現するとともに、フロントのエンブレムやヘッドライトがLEDの点滅によって、乗員を迎える光の演出を行なうようになっている。
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インテリアは、ダッシュボード上に14.3インチのディスプレイが2個搭載されている。最新のインフィニティ・タッチシステムにはGoogleシステムを搭載し、Google MapやGoogle Play、Google Assistantなどを利用することができる。また、センターディスプレイの下部にある9インチのタッチスクリーンでは、空調機能や運転モードの選択が可能。
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そして、セグメント初のテクノロジーである「バイオメトリック クーリング」で、2列目を快適な温度に保つようになっている。これは、天井に組み込まれた赤外線センサーが乗員の体温を検知し、温度と風量を調節して2列目に快適な空気を送るというシステムだ。
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世界初の技術となる「フロントワイドビュー」により、車体前方側面の様子を2個の14.3インチディスプレイに表示することができる。さらに、ボンネット部分が透過して前方を確認できる「インビジブル フード ビュー」や、フロントカメラの映像を写真やビデオとして記録し、SNS等にシェアできるジャーニーダイアリー機能などを実現する、革新的なカメラ技術を搭載している。
また、フルサイズのラグジュアリーSUVセグメントでは初となる「クリプシュ・プレミアムオーディオシステム」を搭載している。そしてダッシュボードとドアに埋め込まれた64色から選べるアンビエントライトは、より印象的で気分に合わせて室内の雰囲気を変えることが可能だ。
新型「QX80」のパワートレインは、3.5LのVR35DDTT型3ツインターボエンジンを搭載し、最高出力は450ps、最大トルクは700Nmを発生する。トランスミッションはギアレシオを40%拡大した9速ATを組み合わせ、優れたレスポンスと高い燃費性能を実現している。また駆動システムはAWD、FR切替式となっている。
そしてシャシーでは、電子制御式エアサスペンションとダイナミックデジタルサスペンションを採用。エアサスペンションは走行シーンに合わせて車高調整が可能だ。通常走行時は車高を下げることで空力性能を確保し、乗員の乗降時は更に車高を下げて乗り降りや荷物の載せ降ろしを容易にする。そしてオフロード走行時は通常よりも車高を2.4インチ上げることで高い走破性を確保することができる。
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ダイナミックデジタルサスペンションは、車両の動きに合わせ電子制御でダンパーの減衰力を自動調整する機能を備えている。
フレーム式ボディは、従来に比べ横剛性を58%向上させ、快適な乗り心地と優れたハンドリングを両立。さらに、ねじり剛性を300%向上した電動パワーステアリングラックの採用により、高度な運転支援技術の搭載を可能としている。
そして新型「QX80」は最新の運転支援技術に加え、インフィニティとして初となる、高速道路でのハンズオフドライブを可能とする「プロパイロット アシスト 2.1」を搭載している。 アメリカ市場での価格は、現在の為替レートで1250万円からとなっている。