日産自動車は2022年9月7日、車載用リチウムイオン電池事業を行なうビークルエナジージャパン(茨城県ひたちなか市)の株式取得についての最終契約書を締結したと発表した。
日産は、ビークルエナジージャパンの全普通株式を取得し、またビークルエナジージャパンが新たに発行する普通株式を引き受け、ビークルエナジージャパンは日産の連結子会社となる。
ビークルエナジージャパンは、もともと日立製作所系のバッテリーメーカーで、現時点では政府系ファンドのINCJ(旧産業革新機構)、マクセル、日立アステモ株主であったが、日産はINCJの全株式と新たに発行する株式を取得して筆頭株主となり、既存株主であるマクセル、日立アステモは、新ビークルエナジージャパンの株式を共同で保有することになる。
ビークルエナジージャパンは、主としてはハイブリッド用のバッテリーのセルからパックまでの一貫した生産体制を備え、バッテリーマネジメントシステム技術も保有しいる。日産は従来から同社の主要取引先で、e-POWER用のバッテリーとして採用されている。ビークルエナジージャパンは、今後も成長の見込まれるハイブリッド車向けの車載用リチウムイオン電池、モジュール、バッテリーマネジメントシステムの開発、製造、販売を行なう。
ビークルエナジージャパンは、今回の出資により安定的なバッテリーの調達先の確保だけでなく、性能・コスト双方で優位性を持つ次世代電池の開発も進めていく。
なお、買収されたビークルエナジージャパンは、今後も日産だけではなく、他社にも電池を供給する。またマクセル、日立アステモは株主として、日産と共にビークルエナジージャパンの事業運営を支援することになる。