日産は2021年12月17日、子会社のオーテックジャパンと、ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(NISMO)を統合した新会社「日産モータースポーツ&カスタマイズ」を、2022年4月1日付けで設立すると発表した。
今回、日産直系の特装車開発・製造メーカーであるオーテックと日産ワークスとしてモータースポーツを担うニスモを統合することで、両社が持つ専門ノウハウや高度な技術力、実績に裏付けられた高いブランド力をさらに強化し、グローバルに活用する方針であることを明らかにした。また、この新会社は日産の重要な戦略的子会社として位置づけられている。
アシュワニ・グプタCOOは、「オーテックは幅広い技術を活かし、お客さまの様々なニーズを満たす特装車を提供してきました。一方のニスモは、モータースポーツを通じて日産車のチャレンジスピリットやドライビングプレジャーを象徴する存在です。この2社が一体となることで、より一層ワクワクするモビリティをお客さまに提供していくことができると確信しています」と語っている。
オーテックは元々は特装車製造、NISMOはレース活動とスポーツパーツの開発と販売、NISMO仕様車の開発を担当してきた。そして2011年には日産のブランド戦略により、NISMOバージョンをグローバルに展開するハイパフォーマンス ブランドに位置づけることを明確にしている。
さらぶ2017年には戦略の見直し、強化が図られ、2020年段階で、グローバルでのNISMOモデルの販売を10万台にするとしている。そして、NISMOモデルの拡充に合わせ、NISMOロードカーの開発・生産の拠点と組織を新設したわけだ。
これまでのNISMOモデルは、車種ごとに開発が日産社内、オーテック、NISMOなど多くの部署にまたがって行なわれていたが、より効率的に開発を進めるために、新たにオーテックジャパン内に「NISMO CARS」というロードカーの企画・開発を担当する専門部署を新設。ここには日産、オーテック、NISMOの専任者が集結し、新たなNISMOロードカーを開発することになった。
また市販用スポーツパーツの規格、開発もオーテックが担当するようになり、NISMOはレース活動を行なう組織というポジションに変化している。
この結果、オーテックの組織が大幅に強化され、特装車の製造だけではなくオーテックというサブブランド車両の企画、開発、製造、NISMOブランドのロードカーの企画、開発、製造も担当するようになったのだ。
そして今回の統合新会社「日産モータースポーツ&カスタマイズ」により、より強化されたサブブランド戦略を展開していくことになる。