日産自動車は2016年2月15日、駐車の際に自動でハンドルを操作しドライバーをサポートする自社の車両搭載技術「インテリジェントパーキングアシスト(以下IPA」から着想した先進的なイスである「INTELLIGENT PARKING CHAIR(以下IPC)」を公開した。
IPCは自動で自ら定位置に戻るイスだ。ローラーを内蔵した脚部により自動操舵で360°移動できるイス本体と、イスに向けて移動位置を指示するシステムから構成されている。IPCを導入した会議室では天井の四隅に位置をモニタリングする感知器を設置し、そこから得られる「トップビュー」を無線でイスに伝えることで、あらかじめ指示した定位置へと移動させる仕組みになっている。
IPCは「技術の日産が、人生を面白くする」というコーポレートメッセージを具現化する技術プロモーションのひとつとして開発したものだ。実際のイスの製作は、最先端のデジタルプロモーションを手掛けるインタラクティブカンパニー「BIRDMAN」が担当。日産の最新の車両搭載技術が、身近な日々の生活に加わったらどうなるか? その具体的な例をきっかけに、日産の技術の魅力をより多くの方に感じていただきたい…と考えて開発が進められている。
散らかったイスが、センサーと自動操舵により整然と、もとの場所に収まるというIPCは、日産の最新車両に搭載しているIPAから着想を得て開発している。メカニズムの詳細は異なるが、「トップビューから位置を分析する」「自動操舵により正確に移動位置をコントロールする」などといった基本コンセプトはIPAと同様だ。なにより、人の手を煩わせることなく、整然とイスが定位置に収まる驚きと快感は、日産が提供する車両搭載技術と同じ感覚を得られるものとなっている。
なお2月19日より5日間、横浜の日産グローバル本社ギャラリーにてIPCの実物が展示される。会議室を模した特設展示ブースにはシステム及びイス本体を配置。実際に「イスが自動で自ら定位置に戻る」様子を体験できる。