2014年7月17日、日産のカルロス・ゴーン社長は日本外国特派員協会の記者会見で、現在開発中の自動運転技術の市場への段階的な投入スケジュールを発表した。
最新の自動運転技術は、車線内の走行を自動化するシステムや高速道路での走行を支援するシステムを含むが、これらを段階的に市販化を実現し、2020年まで自動運転技術を実現する。
日本外国特派員協会のスピーチでカルロス・ゴーン社長は、「我々は2016年末までに、当社の自動運転戦略のもと、2つの次世代テクノロジーを実用化する予定です。最初に、混雑した高速道路上で安全な自動運転を可能にする技術、トラフィック・ジャム・パイロットを市場に投入します。更にほぼ同時期に、運転操作が不要な自動駐車システムも幅広いモデルに投入する予定です」と語った。
「これらの技術に続いて2018年には、危険回避や車線変更を自動的に行なう複数レーンでの自動運転技術を導入します。また、2020年までにドライバーの操作介入なしに、十字路や交差点を自動的に横断できる交差点での自動運転技術を導入する予定です」
こうした高度ドライバー支援システムや自動運転への期待が高まっている背景として4つ上げている。
まず、世界的な規模で起きているメガシティの台頭により、渋滞の緩和、排出ガスの低減、交通の改善といった必要性がより高まっている。2つ目は、デジタル世代の高い期待に見合う、もしくはそれを超える車載コネクティビティの需要が高まっており、デジタル世代が日々頼っているスマートフォンやタブレットと同様に、コネクトされたものでなければならないという。
3つ目の動向は、世界的に増加している高齢者人口に訴えかけるようなクルマの提供によって、ジェネレーション・ギャップを埋める必要性があるという。高齢の消費者は、より長く、安全な運転を可能にしてくれる技術や自動運転システムを必要としているという。
最後にジェンダーダイバーシティの容認という差し迫った必要性があるという。女性が消費者、購入者、意思決定者であり、自動車産業全体を統括するマネージャーのような重要な役割を担っているという認識がより強まっているからだという。
そして、こうした背景により自動運転技術はもちろん、「リーフ」のようなゼロエミッション車、より優れた車載コネクティビティの需要を促進する原動力になるとしている。