【日産】NISMO新社屋オープン GT-R NISMO開発、ルマン24時間レース参戦などを発表 

NISMOの広い新しいショールーム。最大8台が展示できる

2013年2月26日、日産自動車は横浜市鶴見区大黒町の日産・横浜工場地区の一角に建設していた「NISMO(日産・モータースポーツ・インターナショナル)」のグローバル新本社が完成し、3月1日から正式オープンすると発表した。また新社屋や内部の設備がメディアに披露された。黒とシルバーのツートンで統一された新社屋。ショールームは赤と黒のイメージだ。

■NISMOグローバル本社がオープン 高性能モデル開発の拠点に
東京都品川区南大井にあるNISMO(大森)が新たなグローバル本社を新設して移転することが発表されたのは2011年11月だった。移転先は、歴史ある横浜市鶴見区の日産パワートレイン開発本部・鶴見事業所の一角で、グローバルにニスモブランドを拡大するための象徴的な拠点として建設された。

2013年型GTレース用GT-Rの前に立つカルロス・ゴーンCEOと宮谷NISMO社長

 

オープニングイベントでは、NISMOの宮谷正一社長が新NISMOの概要を紹介した後、カルロス・ゴーン日産CEOが登場し、NISMOブランドから革新的なモデルを提供すること、グローバルにラインアップを強化して行くと語った。「小型車であれ、スポーツカーであれNISMOバッジが付いたモデルであれば、NISMO特有の品質や機能、スタイリング、スポーティなハンドリング、そしてダイナミックなパフォーマンスを提供することを約束します」としている。さらにGT-RのNISMO仕様を開発することを発表した。「NISMOモデルの開発を進めるにあたり、ラインアップにGT-Rを含めないということはあり得ない。GT-Rの NISMOバージョンは特別な存在になる」と語っている。さらに2014年のルマン24時間レースに革新的なEVレーシングカーで出場すると発表した。

 

NISMOブランンドの第1弾、ジュークNISMO。第2弾は370Z・NISMO、GT-Rはその次か?

日産はNISMOをBMWのM社、アウディのクワトロ社、メルセデスのAMG社的な位置付けとし、モータースポーツの運営だけではなく、高性能仕様車のブランドとしてグローバルに販売することを計画している。その第1弾に当たるのが「ジュークNISMO」で、日欧ですでに発売され、来年にはアメリカでも販売を開始するという。第2弾はヨーロッパに投入予定の新型フェアレディ370Z NISMOとしている。日産は中期経営計画「日産パワー88」の中で、毎年少なくとも1台のNISIMOブランドのを新型車を投入する予定としている。GT-RのNISMOモデルは第3弾だろうか?

エンジン組み立て室
エンジン・ダイナモ室。鈴鹿をシミュレーション運転中

 

カーボンコンポジット試作室
レーシングカーの整備場

 

 

NISMOの新社屋は、日産パワートレーン開発本部の敷地の中に既存のスペースと新建屋を組み合わせている。黒とシルバーの鮮烈なカラーに塗られた建屋は、日産のデザイン本部と外部デザイナーが協力してデザインされた。

ユーザー車をメンテする「大森ファクトリー」
ユーザー車用のシャシーダイナモ室

 

 

最大8台の展示スペースがあるショールームとガラスで区切られたGT-RやフェアレディZのユーザー車のチューニング、メンテナンスを行う「大森ファクトリー」のスペースは従来の約2倍に。またレースカーの整備室、工作室、研削室、カーボンコンポジット室、部品庫などはすべてワンフロアにまとめられ、作業効率が大幅に向上。レースカーは整備された後そのまま隣接するトランスポーターに運び込めるなど合理的なレイアウトになっている。

またこのNISMOでは、新たな高性能スポーツモデル、NISMOバージョンの開発の拠点ともなるので、今後もさらなる体制の強化が図られると予想される。

NISMO所在地 神奈川県横浜市鶴見区大黒町6-1
NISMOへのアクセス

■2013年モータースポーツ活動発表 将来のル・マン24時間レースへの復帰の第1歩


カルロス・ゴーンCEOが発表したように2014年のル・マン24時間レースに、ゼロエミッション・テクノロジーを用いた革新的なコンセプトのレーシングカーで「ガレージ56」(近未来レーシングカー対象枠)の車両として出場することを決定した。車両規則の詳細については主催者のACO(フランス西部自動車クラブ)と検討中と見られる。このプロジェクトは新しいパワートレーンをテストすると同時に、ACO、FIAへ新技術のデータを提供し、将来の日産による革新的なレーシングカーによるル・マン24時間レースへの復帰のための布石だという。

これ以外に日産は「ブランパン耐久シリーズ」(GT3/GT4車両によるヨーロッパ耐久シリーズ)、ル・マン24時間レースを始めWECのLMP2クラスへの多数のエンジン供給、オーストラリアでのトップカテゴリーレース「V8スーパーカーズ・レース」に新型アルティマ4台による参戦、グローバルに展開している「GTアカデミー」のさらなる拡大、国内ではスーパーGT選手権、スーパー耐久レースシリーズへの参戦がメインとなる。

スーパーGT選手権に出場するNISMO GT-Rの4チーム
2013年仕様のスーパーGT選手権用GT-R
翼端板に刻まれたサメの歯形切り込み

 

また国内のスーパーGT選手権用の2013年型GT-Rはボディの空力性能とエンジンの性能向上をメインに開発されている。空力性能では、リヤにシャークティース(サメの歯のような波型)形状を採用したことと床下形状の改良により、リヤダウンフォースの向上と空気抵抗の低減を両立させているという。VRH34B型V8エンジンはフリクションを低減しレスポンス、トルク、燃費を向上させている。

2013年 SUPER GT GT500仕様 主要諸元表

GT-R NISMO GT3 (2013年仕様)主要諸元表

 

NISMO 公式サイト
日産公式サイト

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