日産自動車は2015年10月26日、同社の中国の合弁会社である東風日産乗用車公司(以下東風日産)が現地で新型LANNIA(ラニア)を発売したと発表した。
日産のカルロス・ゴーン社長兼CEOは2015年4月の上海モーターショーでラニアを世界初公開した際、同車を「過去のいかなる日産車とも異なる」と表現。この斬新でスポーティなデザインは、日産のグローバルチームと中国のローカルチームの協業によって開発されたという。さらにや数々の先進技術の搭載により、新しい体験を自動車に求めるエネルギッシュな中国の若者世代を主なターゲットに設定。販売価格は10万5900人民元(約202万円/直近レートの1人民元=19.12円で換算)からだ。
日産は中国で一番強い影響力を持つ消費者層になりつつある80年代・90年代生まれの若者世代の嗜好を理解するため、上海モーターショー2013では「フレンド・ミー・コンセプト」を、北京モーターショー2014では「ラニア・コンセプト」を発表。時間をかけて量産車のラニアへと進化させていった。実際にオリジナルデザインは北京における拠点である「日産デザイン チャイナ」の若手デザイナーたちによって生み出されており、そのほかの多くのプロセスにおいても中国人が舵取り役となって開発を進めてきた。
ラニアは中国人の嗜好に合わせたモデルであると同時に、Vモーショングリルやブーメラン型ヘッドランプ、キックアップされたCピラー、フローティングルーフなど、日産のグローバルデザインの特徴も多数採用している。力強く、従来のセダンにはない個性的なルックスは自身が注目を集め、他人とは異なる存在であると認識されたいと考える中国の若者世代に訴えかけるものだ。
一方でラニアのインテリアは、ダイナミックな外観に合わせてモダンでドライバー中心のコクピットを中心に展開。グライディングウィング・コンセプトでデザインされたインストルメントパネル、シートやトリム部分に使用した高品質でスポーティな素材などによって、モダンに仕上げつつも、若者世代の個性的でファッショナブルなセンスに訴えかけている。
「ラニアは多くの人の中で自分を際立たせたいという、流行の最先端にあり洗練された中国の若者世代のために創られました。中国人が中心となって中国人のために創った日産初のモデルであり、中国市場に対する日産のコミットを体現しています。また現地の力を最大化する日産の姿勢を象徴するものでもあります」と、東風汽車有限公司総裁の関潤は述べた。
新型ラニアは「すべては若者から」という考え方に基づいて、クールでユニークでありたいという中国の若者たちの強い思いによって企画・開発されている。搭載されたコネクティビティ関連のシステムは日産ディスプレイ・オーディオや最新のオーディオシステム、後部座席にも取り付けられたUSBインターフェースなどのさまざまなインフォテインメント系システムで、どんな時もテクノロジーを通じて情報や友人・家族など、何かや誰かとつながっていたいという若者たちのニーズに応えるものだ。
もちろんドライバー目線でも高性能サスペンションや最新の電動パワーステアリング、VDCなどを含めたさまざまな日産の最新テクノロジーが搭載されており、正確できびきびとしたハンドリングが可能になっている。さらにパワートレーンはエレクトロニックCVTと最新の1.6Lエンジンを搭載しており、高出力と低燃費を両立させている。