
三菱自動車の大人気軽自動車デリカミニがフルモデルチェンジをおこなった。発売は今秋とのことだが、本日8月22日から予約注文がスタート。価格は約195万円〜約295万円。
2022年11月に発表された初代デリカミニは、やんちゃで、可愛らしいデザインがヒットし、それまで販売していた同じスーパーハイトワゴンのeKクロススペースに対して4倍もの売れ行きを記録した。
先代はeKクロススペースのマイナーチェンジの改良でデリカミニへと変身したが、今回はフルモデルチェンジなので、かなりの領域で制約が変わり、よりデリカミニらしさを強調したモデルへと変わっている。
スーパーハイトワゴンの市場は150万台/年の市場規模があり、中でもスーパーハイトワゴン市場は40%、台数にして60万台/年の規模があり、もっともボリュームのあるセグメントなのだ。またデザイントレンドとしては各社からアウトドアスタイルが出されており、それもひとつのトレンドになっているわけだ。



さて、新型デリカミニのコンセプトは「進化したアクティブな頼れる相棒」で、ターゲットカスタマーは「気軽にアウトドアを楽しみたい家族」としている。
新型を開発するにあたり、従来モデルで評価されていた部分は継承し、手の届かなかった領域を丁寧に作り込むことで特徴づけしている。
まず、継承したポイントとして、特徴的で親近感のあるスタイリングがあり、広くて便利で快適な室内空間、そして運転のしやすさと走行性能といったもので、これらを継承しつつ、プラスアルファの魅力を加えている。



エクステリアデザインでは、人気の顔を変更しつつもデリカミニらしさを失っていないやんちゃ顔は健在だ。パッとみただけではどこが変わったのかわからないレベルだが、見比べるとかなり変更されていることもわかる。またボディカラーにも新色がプラスされている。

そしてAピラーの角度を立てることで室内空間を広くすることできている。インテリアでは、よりその広さを感じることができ、フラットなシートアレンジもできるように変更している。特にエンボス加工されたシートでは質感も高められ、またドアトリムや手で触れる部分には質感のある巻物を使うなど高級感のある内装にもしている。



一方で、先進技術も多く取り込み、三菱自として初となるGoogleを搭載している。自分のアカウントでログインすれば、スマホで調べたルートが車内でも表示されるなど、大幅な利便性がアップしている。さらに車両の操作が「OK Google」で対応している点も魅力だ。
そのインフォテイメントでは12.3インチの大型ディスプレイを装備しているので、操作や見やすさといった点でもクラスを超えた装備と言える。またオープニングパレードにはデリ丸をイメージさせるアイコンが表示され、親近感とかわいらしさがアピールされている。さらにキーには、車両への接近時にアンロックされ、降車時には自動でロックされる機能も搭載し、ロック/アンロック機能を持つのは軽自動車では初だ。
高機能装備として3Dアラウンドモニターも装備。さらに死角や悪路走行時に役立つフロント透過ビューも初搭載している。


そしてダッシュボードセンターにはテレインコントロールが備えられ、グリップコントロールを始め、路面の状況で使い分ける本格的テレイン機能を搭載している点も特徴だ。路面状況ではノーマル、グラベル、スノーがあり、ドライブモードではパワーとエコを備えている。



これらのモードで変更される中身は、エンジンレスポンス、CVTのシフトマップ、トラクションコントロール、ブレーキLSD、そしてパワーステアリング、ASC(横滑り防止)となっている。これらが選択したモードで最適な組み合わせとなり、安定走行が可能になる。
さて、モデルラインアップはデリカミニにはFFと4WDがあり、エンジンはNAとターボがあるが、FF
と4WDともにNAとターボのどちらの選択肢があるのは嬉しい。一方、eKスペースは、FFと4WDが選択できるが、エンジンはNAのみでターボは設定されていない。
今回のフルモデルチェンジに合わせてパワートレインの進化もある。エンジンはピストンのフリクションを低減し、現行モデルと同等の燃費を達成している。つまりフロントウインドウを立てたことで、空気抵抗が増え燃費の悪化があるが、そこをエンジンの改良で同等レベルに引き上げているわけだ。またCVTのトランスミッションも制御を変更し、アクセルペダルにリニアに反応する作り込みを行なっている。
先代モデルで少し気になっていた走行時のノイズは改善され、フロントウインドウに特殊遮音フィルムがラミネートされたガラスを採用し、前方からの音の侵入を防いでいる。これはスーパーハイトワゴンでは他社に先駆け初の採用になる。また側方からの音に対しても2層遮音シートで低減したり、ドア下部シーリング、高機能吸音材などで静粛性を高めているのだ。
乗り心地では、極低速域での減衰に注力し、カヤバ製の「プロスムース」ダンパーをFF、4WDともに採用。4WD用はさらに三菱オリジナルの減衰データでチューニングしている。そしてタイヤサイズも大径化することで標準車との差別化を図り、オフロードイメージを踏襲している。







eKスペースも同時に先行公開

一方、eKスペースの商品コンセプトは「私の日常に安らぎが寄り添うクルマ」で30〜40歳代の女性をターゲットカスタマーとしている。同じく発売は今秋予定で、予約注文は今日8月22日よりスタート。価格は約175万円〜約195万円。
デリカミニ同様、フロントウインドウが100mm前方へ傾斜したため、室内空間は広くなり、また視界の良さや使い勝手の向上を狙っている。

エクステリアはモダンで高品質を感じさせるデザインで、スクエア基調でアイコニックな造形としている。リヤコンビランプもスクエアデザインとし、視認性と共に洗練された印象も与える。またモダンでシックなインテリアトリムはグレー基調のインパネにより、落ち着きと上質感を与えている。
実用性では、フロントシート周りの収納スペースを先代モデルから増量し、さらに使い勝手を向上させている。またUSB-Cタイプの増設などの実用面も改良されている。





