【三菱】「デリカミニ」はデザインだけじゃない 走りもいいしアウトドア能力も向上[試乗レポート]

三菱のデリカミニがフルモデルチェンジをし、2025年10月29日から発売開始されている。早速新型のデリカミニに試乗し、他社を凌駕する先進機能の追加!も含めてお伝えしていこう。

デリカミニは、クルマはデザインで売れることを証明した一台で、先代のeKクロススペースのデザインを変更し、デリカミニとしたら4倍の販売台数になったというエピソードは有名だ。今回、そのデリカミニのデザインを踏襲し、フルモデルチェンジを行ない、高級な装備とも言える先進機能を満載して登場したのだ。

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まず他社を凌駕する先進機能のひとつがGoogleの搭載だ。スマホとの連携ではなく車載Google、つまりクルマ専用のGoogleを搭載したのだ。そのため、Googleマップ、アシスタント、プレイストアの3機能が車両内で利用することができる。そしてそのインターネット通信料は10年間無料なのだ。これは他社とは大きく異なるメリットと言える。

Googleマップにおいて、圏外でもルート案内が可能という点も車載Googleの特徴だ。スマホでは対応できないエリアでも安心というわけだ。

これらのインターネットサービスは7インチのメーターパネルと12.3インチのセンターディスプレイを一体化したビジュアルで先進感が得られ、先端情報が取得できるわけだ。このモニターには3Dアラウンドモニターの俯瞰画像が映し出され、死角をカバーする。

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さらに、フロントアンダーフロアビューも実装されており、床下の路面状況もこのモニターに映し出される。タワーパーキングや洗車機に入れる時、あるいは路面が悪く側溝や穴などの確認ができる。そしてノーズパノラマビューモニターは左右170度の視野角があり、視界の悪い交差点や駐車場内での死角を減らす効果が期待できる。

リアルな視界でもフロントはAピラーの前方側の太さを細くし、より広い視野が確保できるなど、あらゆる手段で死角を減らす方向で設計されているのだ。

そして乗り心地とドライブセレクトも凄いことになっている。まずは微低速域でのスムースな乗り心地が得られると評判のカヤバ製プロスムースダンパーを装備。ダンパーの伸び圧も上げつつ、極低速域をこのプロスムースで滑らかな乗り心地にしているのだ。

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これに併せて高剛性のスタビリンクとし、中実から中空へと軽量化。またベアリングを新世代化し、支えるナックルアームをアルミ化して、軽量化とステアリング等への防振動としている。そしてリヤサスペンションのブッシュ位置も変更し、乗り心地の改善を果たしているのだ。

これらのチューニングにより、動き出しから滑らかにそして滑るように走ることができ、ライバルはコンパクトセグメントの登録車と勝負できるレベルと感じられるわけだ。

エンジンとCVTは先代からのキャリーオーバーだが、車両本体にはフロント遮音ガラスや前後ドアの遮音、そしてホイールハウス周りの遮音を徹底しており、地面からのロードノイズや砂利の巻き上げ音は入ってこない。風切り音も聞こえにくいなど高い静粛性があるのだが、エンジン本体の音が聞こえてくるのは少し残念。バルクヘッドでの遮音も含め、吸音、遮音が追いつかない部分だったと思われる。

一方でCVTのシフトスケジュールは改良されており、ターボを意識させない滑らかな加速フィールになっている。また発進時のレスポンスやリニア感は感触がよく、滑らかにそして期待通りに動きだすのだ。車速が上がっても静粛性は保たれているため、余計にエンジン自体の音が気になったと思う。

そして他社を凌駕する先進機能に走行モードがある。4WDを得意とする三菱らしい装備で、ドライブモードはパワー、エコ、ノーマル、そしてグラベル、スノーの5つのモードがあり、路面状況対応のグラベルとスノーはデリカミニ専用モードでもある。ちなみにアウトランダーと同じダイヤル式なので、操作もしやすかった。

さらにヒルディセントも装備され、軽自動車のスーパーハイトワゴンで装備しているのは唯一の装備車だ。そのヒルディセントも前型の20km/hまでの対応から30km/hまで引き上げ、より実用性を高めたセットアップへと変更されている。

このように高級な装備、機能を満載したデリカミニは独特のデザインと愛着の持てる顔とが相まって、個性的であり、高性能な軽自動車になっていたのだ。これはデリカD:5と同様、何世代にもわたって続くロングセラーモデルになるのではないだろうか。

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