三菱は、2017年4月度の生産・販売・輸出実績を発表した。
4月単月の生産および販売は、いずれも3月と同様に前年同月の台数をほぼ維持した形。不振ながらも下げは底をついたようにも見受けられる。
■生産実績
まず国内生産は3万3919台で、前年比は87.6%。これは2016年4月以来13カ月連続の前年比減となっている。また海外生産は4万762台で前年比94.3%。こちらは6カ月ぶりの前年比減だ。
海外生産の内訳を見てみると、4万台近くでその大半を占めているアジアでの生産のうち、さらに大きな割合を占めるタイでの生産が1万9325台。前年比70.7%と大きく減少している。
しかしその一方で中国での生産は、1万952台で前年比182.7%と、非常に目立った伸びを見せる。統計の数値には、中国での現地ブランド車の生産台数が含まれていないことを考えると、やはり中国での生産は不振脱出の大きな鍵となりそうだ。
総生産の7万4681台は、前年比91.2%。2017年以来4カ月連続での前年比減となった。
■国内販売
国内販売については登録車が2,028台で、前年比は96.1%。車種別では「デリカD:5」、「RVR」、「アウトランダーPHEV」が比較的好調で、前年比はそれぞれ118.3%、137.1%、112.8%となっている。デリカD:5もRVRも2010年以前に発売した車種であることを考えると、息の長さというよりは後継車が投入できていない苦悩のようにも見える。
対して軽自動車はeKシリーズが好調に売れている。「eKワゴン・eKカスタム」は1,319台で前年比295.1%、「eKスペース」は648台で前年比383.4%。これらによって軽自動車全体でも国内販売が2,784台、前年比188.5%となっているのは明るいニュースと言えるだろう。
ちなみに軽自動車および輸入車を含む国内での三菱のシェアは1.5%で、前年同月の1.2%からやや上向いている状況だ。
■輸出実績
輸出出荷は合計台数が2万2051台。前年比は64.9%で、2016年4月以来13カ月連続の減少となっている。
北米が7,427台で前年比79.9%、欧州が8,016台で前年比71.2%と減少傾向なのに加えて、アジアが266台で前年比21.5%と極端に落ち込んでいる。ただしこれは海外生産が増えた分の減少が含まれているので、生産拠点が変更になったための数字と見ていいだろう。