三菱自動車、東京ガス、Natureの3社は2025年9月4日、東京都の「家庭の環境アクション推進事業」に採択された電動車の遠隔充電制御実証を今年度下期から開始することを合意したと発表した。これに合わせて、モニターの募集を2025年9月5日（金）から開始する。
東京都は2025年5月の「ゼロエミッション東京戦略 Beyond カーボンハーフ」で、2030年までに都内の新車販売台数（乗用車）に占める非ガソリン車割合を100%にする目標を掲げている。
電動車のさらなる普及を見据え、帰宅後の夕方に充電需要が集中することを避け、電力供給を安定させるため、充電する時間を最適化する制御が求められる。
3社は、①車両データ（車両SOCなど）、②電力市場価格、③宅内消費電力等を連携させて、充電時間帯を最適化する遠隔充電制御システムを構築し、地域の電力需給ひっ迫の抑制、CO2削減と需要家の電気料金低減に貢献することを目指す。
この実証では、①電動車のコネクティッド技術を通じて取得した車両データと、②電力市場価格をもとに充電計画を策定し、遠隔指令で自宅の充電器を自動制御する。
また、戸建住宅では、充電時に契約容量を超過してブレーカーが遮断されることが課題になっている。この実証では、③宅内消費電力と連携することで、契約容量を超過しそうな場合には、充電計画を自動的に調整し、ブレーカー遮断を回避する。さらに、太陽光発電設備設置世帯では、余剰電力に応じて充電計画を最適化することで、発電電力の自家消費の最大化を図る。
この実証のモニター対象は、東京都内戸建住宅で三菱自動車のコネクティッドサービスに加入しているアウトランダーPHEVを自宅の屋外コンセントから充電している世帯となっている。
また、「Nature EV Switch」および「Nature Remo E」の設置が可能で、WiFi環境が用意できることが条件となっている。参加者には特典としてQUOカード 2万円分と、充電量や充電する時間帯に応じた「充電ポイント」が贈呈される。
3社は、東京ガスのエネルギーマネジメント技術、三菱自動車のコネクティッド技術、Natureの充電制御技術を活かしながら、本実証を通じて遠隔制御に関する受容性、CO2削減量、電力需給ひっ迫回避効果などの社会的効果、ならびに経済性について総合的に検証し、事業化に向けて検討を進めていくとしている。
モニター募集概要は下表を参照。
