三菱自動車は2023年10月24日、中国市場からの撤退を正式に決定した。
10月24日に開催された取締役会で中国における広州汽車集団(GAC)、三菱商事との合弁会社である広汽三菱汽車有限公司(GMMC)を解消し、三菱自動車と三菱商事が所有する株式は広州汽車集団に譲渡することが決定した。
この結果、2024年3月期決算では構造改革関連費用として243億円を特別損失として計上することになる。
三菱自動車は、過去2〜3年の間に中国自動車産業は急速な市場変化に直面し、EV、PHEVへの移行は予想以上に加速しており、消費者のブランドとセグメントの選択にも急速に大きな変化が生じていることは周知の事実だ。
広汽三菱は、かつてはガソリンエンジンを幅広く地元メーカーに供給しており、またSUVを中心に販売を拡大し、2019年に広汽三菱は12万300台を販売し、三菱のグローバル販売の全体の10%近くを占めていたが、その後は販売が急降下し、2022年は4万8000台にまで低迷している。
三菱自動車は2022年12月にガソリンエンジン+マイルドハイブリッド搭載の新型アウトランダーを投入するなど販売の挽回を図ろうとしたが計画未達が続き、3月からは在庫調整のために工場稼動を停止していた。こうした状況を踏まえ、中国戦略を抜本的に見直し、市場撤退が決定されたのだ。
中国に於ける三菱ブランド車両の現地生産を終了し、広汽三菱汽車における三菱自動車と三菱商事の株式持分を広汽集団に譲渡し、現地の生産工場では広州汽車集団傘下のEVブランド「Aion」の生産が行なわれることになる。