三菱自動車とKaluza(カルーザ) Ltd.(本社:イギリス・ロンドン市)は2023年2月22日、電動車のコネクティッド技術を活用した国内初となるスマート充電サービスの開発に向けた協業を開始したと発表した。
Kaluzaは、英国第3位のエネルギー小売事業者であるOVO Energyをはじめ、大手自動車会社やエネルギー会社と提携し、電力関連の事業を展開している。Kaluzaが提供するプラットフォームでは、AIを活用し電気自動車をはじめとする様々な分散型エネルギーの最適な制御を通じて、エネルギーコスト低減と、再生可能エネルギーの普及拡大や送配電網の混雑緩和を両立させ、脱炭素社会の実現を目指している。
想定されているサービスは、ユーザーがスマートフォンのアプリから、希望の充電スケジュールをあらかじめ設定することで、クルマの使用開始時間までに最適なタイミングで充電し、ユーザーの充電コストの低減とCO2排出量の削減に貢献するというものだ。
また、充電コストの節約状況をアプリ上で簡単に確認することも可能となっている。さらにこのサービスでは、三菱自動車のコネクティッド技術を通して、Kaluzaのプラットフォームから車両に対して直接、充電の制御が可能となるため、通信機能が付いた充電設備(スマート充電設備)などが不要となるという革新性も備えている。
三菱自動車の岩本和明モビリティビジネス本部・本部長のコメント。
「今後、電動車と再生可能エネルギーの導入拡大が並行して進む中で、需給バランス調整など電力系統への影響が懸念されています。三菱自動車は、これらの課題解決に貢献すべく、まずは電動車の充電を最適化するスマート充電サービスの開発に取り組みます。そしてカーボンニュートラル社会の実現とエネルギーの安定供給に貢献するため、大容量の電池を搭載した電動車を「調整力」として活用する他、コネクティッド技術を用いた様々な先進的なサービス開発を行なって参ります」
Kaluzaのニール・グルハー最高マーケティング責任者のコメント。
「電気自動車を“移動できる蓄電池”ととらえることで、顧客を中心とした、よりスマートで環境に優しいエネルギーシステムを構築することができます。Kaluzaの技術的なノウハウとグローバルでのスマート充電の経験、そして三菱自動車の世界をリードする車両を組み合わせることで、お客様に、より手頃な電気自動車体験を提供する方法を証明し、逼迫する日本の電力網の需給バランス安定化の一助として貢献できることを楽しみにしています」