2014年9月19日、三菱自動車とフィアットグループオートモービルズは、三菱の次期小型ピックアップトラックをベースとした、フィアットグループ向け車両の開発・生産に関する覚書を締結したと発表した。
三菱の小型ピックアップトラックとは、現行モデルではSUT(スポーツ・ユーティリティ・トラック)「トライトン」のことで、タイ工場で生産されているグローバル戦略車だ。現行モデルはL200型と呼ばれ、登場したのは2005年。日本でも2006年から2011年夏まで販売されていた。もともとグローバル戦略車と位置付けられ、アメリカ、日本を除いた多くの諸国で販売されている。
フィアットグループ側はL200型の後継モデルをベースにした、ミッドサイズのピックアップトラックを望んでおり、三菱との共同開発、三菱での生産を希望している。
なお、フィアットグループオートモビルズは、正確に言えば2014年1月末にクライスラーの買収を完了し、フィアット・クライスラー・オートモビルズとして経営統合を図っている過程にある。すでに、統合されたグループの新しいロゴも決定し、新会社フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)はオランダのアムステルダムに登記され、本社所在地はイギリスとなると発表している。
フィアットの株主総会では統合が承認されたが、現時点では株式の買い取り、労働組合との調整などを行なっており、これらの手続きが終わった段階でニューヨーク証券取引所に上場させる準備を行なっている。新生フィアット・クライスラー・オートモビルズにとって、やはりグローバル戦略のためにはミドルサイズ・ピックアップトラックが必要不可欠と考えているだろうし、三菱にとっては新型ピックアップ・トラックの開発費を低減できるメリットがあるわけだ。