三菱はジュネーブショーに次世代先進技術「@earth TECHNOLOGY(アット・アース・テクノロジー)」を具現化した2台のコンセプトカー、「Concept GR-HEV(コンセプト・ジーアール・エイチイーブイ)』と「Concept CA-MiEV(コンセプト・シーエー・ミーブ)」を出展しワールドプレミアを行った。
今回出展された「Concept GR-HEV」はGrand Runner の略、「Concept CA-MiEV」はCompact and Advanced technologyの略で、コンパクトサイズのボディに先進EV技術を搭載しているという意味だ。
■Concept GR-HEV
「Concept GR-HEV」は、ピックアップ・トラック「トライトン」で定評を得たセダンやSUV並みの快適性とピックアップトラックの機能を併せ持ったスポーツユーティリティ・トラック(SUT)のコンセプトを基盤にしながら、環境性能と走行性能を更に進化させたコンセプトカー。ボディはダブルキャブ(5人乗り)だ。
エクステリア・デザインは、従来のピックアップトラックとは大きく異なるテイストでまとめられ、しなやかさと力強さを備えたモダンなフォルムとしている。レジャーに仕事にとアクティブなライフスタイルを実現するピックアップトラックとしての機能性を損なうことなく、空力特性も高めている。また、ダイヤモンドをイメージしたデイタイムライト、LEDヘッドライトシステム、LEDリヤコンビランプ、アルミ製プロテクターなどにより上質感を演出。
パワートレーンは、FR駆動方式をベースにしたディーゼルハイブリッドシステムを採用している。力強い動力性能と優れた環境性能を両立する2.5Lのクリーン・ディーゼルエンジン、高出力モーターとバッテリーを組み合わせた1モーター式HEVシステムにより、走行時のCO2 排出量を140g/?台に抑え、クラストップレベルの環境性能を実現したという。
ドライブトレーンは、低燃費走行を可能にするモードから悪路走破性を重視するモードまで、ドライバーの選択に応じて4つのモード(2H、4H、4HL、4LL)が選択可能な「スーパーセレクト4WD」と、4 輪の駆動力と制動力を制御し、様々な走行状況でドライバーの操作に忠実な車両挙動を実現する「S-AWC(Super All WheelControl)」を組み合わせた次世代4WDシステムを採用。さらに、応答性に優れたモーターの駆動トルク制御を組み合わせることで、優れた走破性とドライバーの操作に忠実なハンドリングを両立している。
また、AC給電装置を装備することにより、発電機等の積載を不要とするなど、レジャーや仕事での利便性を向上させた他、予防安全技術「e-Assist」を採用することで、高い安全性能を実現している。
■「Concept CA-MiEV」
「Concept CA-MiEV」は、2009年に世界に先駆けて量産型電気自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」を発展させた将来のEVを想定したコンセプトカーだ。エクステリア・デザインは、先進的な次世代EV技術を持つクルマにふさわしく、未来に向かって走り出すアスリートをイメージしたしなやかで躍動感のあるフォルムとしたという。
ダイヤモンドカットをモチーフとしたヘッドランプ、リヤコンビランプは精緻で深みのある表情を生み出している。ホイールのスポークにもダイヤモンドカットを刻んでいる。
EVシステムは、モーター、インバーター、充電器を一体化して電気ロスを低減した軽量タイプのEVコンポーネント、エネルギー回収効率を向上させたフル協調回生ブレーキ、手軽に充電が可能な磁界共鳴式非接触充電装置を搭載している。バッテリーは28kWhという大容量の高エネルギー密度バッテリーの採用。また徹底したボディの軽量化と空力性能向上を合わせ、航続可能距離は300kmを実現しているという。
装備ではスマートフォンやタブレット端末などと連動するエアコン、充放電管理リモートコントロール機能や、車両盗難時などにGPSで車両位置を捕捉するリモートトラッキング機能、走行環境に適応したECO運転アドバイス機能などを備える。また予防安全技術「e-Assist」も装備している。
なお三菱はこの2台のコンセプトカー以外に、「スペーススター」(ミラージュ)、「アウトランダーPHEV」などのヨーロッパ・プレミア・モデル、現在の市販モデルなど合計18台を出展している。