2012年9月25日、三菱自動車は、独自の植物由来材料技術「グリーンプラスチック」の新材料として、群栄化学工、新神戸電機と共同で、植物由来材料であるカシューナッツシェルオイルを用いた、バイオマスフェノール樹脂の自動車部品を開発したと発表した。この新しい樹脂部品をまずは、軽自動車用エンジンのオイルフィラーキャップとして、この秋からの製品化を予定してるという。
三菱自動車は地球温暖化や石油資源枯渇への対策を目的に、自動車部品に使用されている石油由来材料の代替策として「グリーンプラスチック」の研究・開発を推進しており、すでに8月発売の新型グローバルコンパクトカー「ミラージュ」に採用した「バイオPE(ポリエチレン)/PP(ポリプロピレン)繊維フロアマット」や、「i-MiEV」のシート生地に採用した「綿/PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維内装表皮材」などを製品化している。そして、今回、新たにバイオマスフェノール樹脂を開発したのだ。
これまで食品廃棄物であるカシューナッツの殻から、抽出・精製したカシューナッツシェルオイルは、塗料や摩擦材などの用途に広く用いられていたが、新開発したバイオマスフェノール樹脂は、一般的にフェノール樹脂に使われている石油由来原料の一部をこのオイルと置き換えることで、化石資源の節約とCO2 削減を実現している。
この新プラスチックは耐熱性が高く、これまでフェノール樹脂を用いてきたエンジンルーム内の耐熱樹脂部品(オイルフィラーキャップ、断熱材、プーリーなど)への応用が可能だという。
なお、原料採取から廃棄までのライフサイクルでのCO2 排出量を試算した結果、化石資源由来のフェノール樹脂を用いた従来品と比較して約12%のCO2削減が可能になったという。