三菱ふそうトラック・バスは小型トラック、キャンター エコ ハイブリッドを5年10ヶ月ぶりにフルモデルチェンジを行い、ハイブリッドシステムにデュアルクラッチを搭載し、5月18日より全国で販売したと発表した。
新型キャンター エコ ハイブリッドは2010年にフルモデルチェンジをした小型ディーゼルトラックキャンターをベースに開発され、新たに自社開発によるデュアルクラッチ式トランスミッション「DUONIC」とハイブリッドシステムを組み合わせている。このデュオニックには世界初となるハイブリッド用モーターをトランスミッションに内蔵され、さらに高性能のラミネートタイプのリチウムイオン電池をあたらに採用することで、高効率と小型軽量化されたシステムが開発されている。
エンジンはFPT社（フィアット・パワートレーン・テクノロジー）との共同開発された3.0Lの4P10型クリーンディーゼルを搭載し、排気ガス後処理システムのブルーテックと組み合わせることで、世界でもっとも厳しいとされるポスト新長期規制（平成22年規制）に適合している。
また、平成27年度重量車燃費基準を20％以上オーバーを達成し、クラストップの低燃費12.8km.Lを実現している。そのため、本年度からのエコカー減税では、自動車重量税と取得税が免除される。
搭載されるハイブリッドシステムは、初代から採用されているクラッチとミッションの間にモーターを配置したパラレル方式で、エンジンとモーターをそれぞれ独立して使用することができるメリットがある。クラッチを切断することでモーターによる発進や減速回生など燃料消費を大幅に削減することができる。
独自開発されたデュオニックは6速のデュアルクラッチで2速、4速、6速の偶数段用アウターインプットシャフトに、極薄型モーターが直結されている。対応トルクは450Nmの湿式で、モーター出力40Kw 最大トルク200Nmを受け止める。わずか110mm全長伸延におさえ、油冷式を採用することで、冷却効率とミッション冷却との共用化も図っている。
発進時はモーターによるクリープ走行を可能とし、アイドリングを保ちながら、発進することができる。加速時、登坂路など高い駆動力を要求する場合では、モーターがエンジンをサポートする。また、通常はエンジン走行だが、可能な限りモーターアシストも入る。当然、減速時は制動エネルギーを回生して電気エネルギーとして蓄電される。
新型のラミネートタイプのリチウムイオンバッテリーは、従来型よりサイズをスリム化し、信頼の証として10年保証も適用している。また、4P10型ディーゼルエンジンは3.0Lの直列4気筒インタークーラー付きターボディーゼルで、応答性の高いピエゾインジェクターを採用し、VGターボと高効率のEGRクーラーを合わせて採用することで、高い燃焼効率とクリーンな排出ガスを高いレベルで両立している。
一方制動面では、ブレーキオーバーライドシステムを採用し、ブレーキとアクセルの踏み間違えなどによる事故を未然に防ぐ。さらにABSに加え、積載状態に応じて最適なブレーキ力配分をコントロールするEBDを標準装備している。制動時の車両安定性向上と空車時の早期ABS作動を防止している。
車両価格548万6250円〜647万100円
