【三菱ふそうトラック・バス】安全性を向上させ、環境性能も高めた「スーパーグレート」と「ファイター」を新発売

スーパーグレートとファイターの画像
↑左が新型スーパーグレート、右が新型ファイター。いずれも撮影用特別仕様車

三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)は2012年4月9日、新たに安全性と経済性を向上させた大型トラック「スーパーグレート」と中型トラック「ファイター」を発表・発売した。今回発売する両車はこの7月に施行される新安全規制に全車適合。またスーパーグレートの一部車種には先日発表したばかりのコンセプトモデルの新技術を採用し、最大で5%の燃費の向上を実現している。

MFTBCはこれまでも、トラックとバスの全車に排気後処理装置「BlueTec®システム(再生制御式DPF+尿素SCR)」を搭載することにより、PM(黒煙粒子)とNOxの排出量を大幅に低減し、エンジン本体での高効率燃焼を実現。今回のスーパーグレートとファイターも全車で、ポスト新長期規制(平成21年度、平成22年規制)に適合するPMとNOxの排出量低減を達成済みだ。加えて平成27年度重量車燃費基準を達成したことにより、自動車重量税と自動車所得税が最大50%減税となる新エコカー減税対象車となった。なお、これでMFTBCの9割のトラックとバスが減税対象となった。

以下は、大型トラックのスーパーグレートについて見ていこう。まずは安全面で、アクセルとブレーキが同時に操作された際にはブレーキが優先されるというブレーキオーバーライドシステム(BOS)を新たに標準装備。さらに後続車との衝突を抑制するためのESS(エマージェンシー・ストップ・シグナル/緊急制動表示灯)も全車に標準とした。走行中の急ブレーキにより車速が大幅に減速した際に、自動的にハザードランプの高速点滅によって後続車に注意を喚起する仕組みだ。ただし停車後は、通常のハザードランプ点滅に自動的に切り換わる。

スーパーグレートの画像

次に本サイトでも既報した、コンセプトモデル「FUEL EFFICIENT TRUCK」で新たに開発されたドラッグフォイラーとリヤスポイラーの実用化にも注目したい。まずはドラッグフォイラーの形状を最適化することにより、より空気抵抗を低減。さらに世界で初めて実用化したリヤスポイラーにより、荷台後部の空気の巻き込みによる燃費の悪化を低減。このドラッグフォイラーとリヤスポイラーをLIMITED車(ウイングボディ)に標準装備することにより、未装着車に比べ燃費が約5%向上したという。

この7月に施行される新安全規制への適合では、リヤ・アンダーラン・プロテクション(RUP/突入防止装置)を新規制に適合させた。また、シートベルトの構造変更とフォグランプによる安全性の向上も実現。シートベルトをロックするELRのGセンサーの感度を高め、シートベルトの長さと形状を最適化。これにより衝突時の乗員拘束性を高め、乗員の移動量を抑制している。また、2013年7月より適用される安全規制に先駆けてフォグランプ照射時の光度を規制値内に収め、光源となる部品のECE適合化を図っている。

その他のポイントとして、直結冷凍機の性能を向上し、燃料の節約と稼動効率を実現している。オプション設定の直結冷凍用コンプレッサー駆動用のベルトレイアウトを最適化したことにより、予冷時間を約30%短縮し、燃料節約と冷凍能力の向上を両立させている。 また渋滞(アイドリング)時でも十分な冷凍能力を発揮し、冷凍能力低下による輸送品質低下を抑制している。もうひとつ、尿素水タンクの大型化のニーズに対応するためにタンク容量を最大7L増加している。

また、中型トラックの新型ファイターについても、ブレーキオーバーライドシステム(BOS)の標準装備や7月からの安全規制への適合、直結冷凍機の性能向上については新型スーパーグレートと同様の改良が施されたほか、尿素水タンクの容量も見直しがされた。こちらは大型化のニーズに対応すべく、GVW20tクラスではタンク容量を18L増加。AdBlue®の給水頻度を低減して、利便性を向上させている。

販売目標台数は、大型トラックのスーパーグレートが年間7000台で、中型トラッのファイターが同じく6000台。消費税を含む東京地区の販売価格は以下の通り。

スーパーグレートとファイターの画像

 

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三菱ふそうトラック・バス公式Web

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