レクサスのBEV「UX300e」2年目の改良で航続距離大幅アップ

レクサスは2022年10月12日、ブランド初のバッテリーEV市販モデル「UX300e」の一部改良を発表した。ただし、日本での発売は2023年春頃が予定されている。

「UX300e」(ヨーロッパ仕様のプロトタイプ)

「UX300e」は、2020年10月にレクサス初のBEV市販モデル「UX300e」を都会派コンパクト・クロスオーバートSUV「UX」シリーズに追加されているが、2年目に大幅な改良が実施されることになったわけだ。

今回発表した一部改良では、新たに開発した電池パッケージを採用し、電池容量を54.4kWhから72.8kWhに大幅アップさせ、航続距離450km(ヨーロッパWLTPモード)、電費性能は166.7Wh/kmとし、航続距離を従来型比40%以上向上させている。

BEVのため重量物を車両中心に配置し、前後重量配分や慣性モーメントが最適化。もちろん電池パックの床下配置による低重心化や、リヤのパフォーマンスダンパーの採用により、走りの質を高めている。

また床下の電池パックに遮音壁としての機能を持たせ、風切り音や小石・砂などの巻き上げ音などに対応し、静粛な室内と実現している。

ボディは、サイドドア、バックドア周辺のボディ開口部のスポット溶接打点を計20点追加し、ボディ剛性を向上。そのうえでダンパーのチューニングなどを行なうことでより上質な走りを追求している。

運転支援システムでは、Lexus Safety System+の機能を拡充。交差点右折前に前方から来る対向直進車や、右左折時に前方から来る横断歩行者も検知可能になり、またドライバーの操舵をきっかけに車線内で操舵をアシストする緊急時操舵支援などの機能を追加している。

同一車線内中央を走行できるよう操舵を支援する高度運転支援機能「レーントレーシングアシスト(LTA)」の車線認識にAI技術を活用することで支援範囲を拡大し、よりスムーズで途切れにくい操舵支援を実現。また、前走車との距離を一定になるよう加減速制御する「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)」に、カーブの大きさに合わせてあらかじめ減速するカーブ速度抑制機能を追加。

その他に、ドライバー異常時対応システムを追加した。レーントレーシングアシスト作動中にドライバーの異常が検知された場合は、警報音と表示と緩減速による警告を行ない、ハザードとホーンで車外に異常を報知しながら自車線内に減速停車し、自損・加害事故の回避・事故被害低減を支援。停車後は、ドア解錠やヘルプネット自動接続による救命要請も行なうようになっている。

先進装備では、デジタルキーを新たに採用。専用のスマートフォンアプリをインストールすることで、スマートフォンをデジタルキーとして使用可能となり、ドアのロック/アンロックが可能になることに加え、スマートフォンを携帯した状態でパワースイッチを押すことでEVシステムを始動することができる。

また車両の前後左右に搭載したカメラの映像を合成してセンターディスプレイに表示するパノラミックビューモニターは、過去に撮影した路面の映像を車両直下に合成表示することで車両下方の路面状況やタイヤ位置などの把握を補助する床下透過表示機能を追加。

そして、マルチメディアシステム、コネクティッドサービスを刷新。大型・高解像度化した12.3インチ・タッチディスプレイを採用し、最新のマルチメディアシステムを搭載。また、G-Link機能を大幅に拡充することにより、日常使いに即したサービスを提供。もちろんApple CarPlay、Android Autoとも連携可能になっている。

また車載通信モジュールによりインターネット接続、Webサイト(ニュースやブログ、ストリーミング音楽、YouTube動画など)を閲覧することができるWebブラウザー機能も設定されている。

さらに、OTA(無線通信)ソフトウェアアップデートを採用し、マルチメディア・システムの更新も可能。

その他に、ディスプレイのタッチスクリーン化にともない、インスツルメントパネル、コンソール周辺の形状やスイッチレイアウトを見直し、充電用USBコネクタ(Type-C)をコンソール前方に2個新たに設定するなど、使い勝手を向上させている。

ナビゲーションは、クラウド上の地図情報を活用し、交通情報や駐車場の空き情報をリアルタイムで取得するコネクティッドナビを採用。最新の音声認識機能も採用し、ステアリングのトークスイッチ操作による起動に加え、ディスプレイのマイクアイコン操作や音声による起動を可能とし、あらかじめ設定された起動ワード(Hey Lexus!など)を発話することで、スイッチ操作や再生中の音楽停止をすることなく、音声認識機能の起動が可能になっている。

ヨーロッパ仕様プロトタイプの主要諸元

レクサス UX 関連情報
レクサス 関連情報
レクサス 公式サイト

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