レクサスは2018年11月27日、デザインを重視した都会派のCセグメント・コンパクトクロスオーバー「UX」を新たにラインアップに加え、発売を開始した。
「UX」はレクサスのLX、RX、NXというSUV/クロスオーバー・シリーズの中で最もコンパクトなCセグメント+のモデルとなり、ライバルが多いなかで最も遅れて登場した新ブランドだ。
コンセプトとデザイン
開発コンセプトは「Creative Urban Explorer」で、都市を冒険するような気持ちでアクティブに日々の生活を楽しむためのクルマ、としている。そのため、デザインや質感を重視したクロスオーバーカーで、AWDの設定はあるものの、市街地での走りをメインターゲットにしたクルマだ。ライバルはBMW X1、アウディQ3、メルセデス・ベンツGLAなどが想定される。
UXのボディサイズは、全長4495mm、全幅1840mm、全高1540mm、ホイールベース2640mmで、グローバルCセグメント+に合致している。UXの骨格はTNGA-Cで、クロスオーバーのCH-Rの拡張版でホイールベースは共通だが、アッパーボディは専用で、ボディサイズも全長、全幅ともにCH-Rより大きくなっている。
エクステリアは、縦方向に厚みのあるデザインにより、安心感のあるタフな力強さを強調。またキャビンの中心から、タイヤに向かって前後のフェンダーが張り出すことで安定感を生み出している。またTNGA-Cプラットフォームの採用による低重心化に加え、大径タイヤを装着することでクロスオーバーらしいフォルムになっている。
インテリアはドライビングの高揚感を生み出すことと、視覚的な開放感を両立させたデザインを指向している。またキャビンから見て室内と外の境界を曖昧にする日本の建築思想に着想を得たインスツルメントパネルの上部からフード、フェンダーへと内外が連続するような造形とし、タイヤ位置の認識のしやすさや見晴らしのよい視覚的な開放感を作り出している。
NEXT:グレードは…
グレードは、ハイブリッドのUX250h、自然吸気の2.0Lエンジン車のUX200で、それぞれにバージョンL、バージョンCとFスポーツが設定されている。またハイブリッドのみにE-Fourを搭載したAWDが設定されている。
F SPORTは内外装、シャシーが専用チューニングされたスポーツ仕様で、きめ細かい減衰力の制御を行なうリニアソレノイド式AVS、パフォーマンスダンパー(リヤ)をオプション設定し、ている。
シャシーとパワートレーン
UXが採用しているプラットフォームはTNGA-Cだ。同じクロスオーバーのCH-Rがトヨタ東北であるのに対し、レクサスUXは九州・宮田工場で製造される。ボディは、トヨタ独自のレーザースクリュー溶接や構造用接着剤の使用部位を拡大。またドア開口部に環状構造を採用し高剛性化を図っている。また、ボディパネルはフロント・フェンダー、ボンネット、4枚のドアはアルミ製、バックドアを樹脂製として軽量化、低重心化を追求している。
シャシーではステアリングのコラムシャフトを大径化し、ねじり剛性を高めたコラムアシスト式電動パワーステアリングを採用。さらにステアリングギア・ブレースやタワーバーを装備し、気持ち良い操舵フィーリングを追求。
サスペンションは、フロントはストラット式、リヤはダブルウイッシュボーン式、そしてダンパーにはフリクションコントロールデバイスを採用。それに加え、アクティブコーナリングアシスト(ブレーキ・トルクベクタリング)を装備している。UXは徹底的な走り込みとチューニングを重ね、高次元の舵応答性と上質な乗り心地を目指している。
NEXT:パワートレーンは…
パワートレーンは、トヨタ/レクサスとして最新のユニットを投入した。2.0L 直列4気筒は最新の直噴のダイナミックフォース・エンジン(M20A-FKS型)で、日本初投入だ。タンブル流を強化するレーザークラッド・バルブシート、フリクションを低減するレーザー・クロスハッチ付きピストンなども採用し、高出力と高効率の両面で両立している。そしてレスポンスの良い加速、爽快なエンジンサウンドなどを実現しているという。出力は174ps/6600rpm、最大トルク209Nm/4000-5200rpmと自然吸気エンジンとして高いレベルにあるが、ライバルはターボエンジンが多いのも事実だ。
またこの新世代2.0Lエンジンと組み合わされるのは、これも日本初導入となる新世代のダイレクトシフトCVTだ。これは発進用の1速ギヤと高速側に振ったCVTを組み合わせた新ユニットで、変速比幅7.5を実現するとともに、ギヤによる発進のためレスポンスがよく、滑り感の少ないCVTとなっている。
ハイブリッドは146ps/188Nmの2.0Lアトキンソンサイクル(M20A-FXS型)エンジンと新世代ハイブリッドシステムの組わせで、これも日本初導入となる。駆動用モーターは109ps/202Nm。AWDのリヤのE-Fourモーターは7ps/55Nm。システム総合出力は184ps。
ハイブリッド制御も新開発されており、小型化・軽量化を実現しながら、低損失と動力性能を向上。さらに道路や運転を先読みする先読みエコドライブ、下り坂と渋滞に対応できるバッテリーの先読みSOC採用など、効率を向上させる新技術も投入している、バッテリーはニッケル水素式を搭載している。ちなみに、ダイナミックフォース・エンジンは、ハイブリッド用が最高熱効率41%、直噴2.0Lエンジンが40%で世界トップレベルだ。
燃費は250h(FF)がJC08モードで27.0km/L、WLTCモードで22.8km/L、200はJC08モードで17.2km/L、WLTCモードで16.4km/Lだ。
装備
インテリアは、メーターパネルが7インチTFT液晶式メーター(F SPORTは8インチサイズ))、センターディスプレイは10.3インチワイドディスプレイ、さらにカラーヘッドアップディスプレイが標準装備されている。
コネクト技術は、ITSコネクトによる路車間通信システム、車車間通信システムを備えている。またオーディオはレクサスUXプレミアムサウンドシステムを装備し、バージョン L、F SPORTはマークレビンソン・プレミアムサラウンドも選択できる。
運転支援システムはミリ波レーダー/カメラを組み合わせたレクサス・セーフティシステム+が装備される。機能的には夜間歩行者にも対応できる自動ブレーキ、レーントレーシングアシスト、全車速追従機能付レーダークルーズコントロール、オートライト(バージョンLはアダプティブライト)、道路標識表示、先行車発進告知機能、パーキングサポートブレーキ、さらにオプションで後方接近車両警報、ブラインドスポットモニター、パノラミックビューモニターなども設定されている。