レクサス BEV専用モデル 新型「RZ」発売開始 500台限定“First Edition”も設定【詳細解説】

レクサスは2023年3月30日、予告通りブランド初のバッテリーEV専用モデルとなる新型「RZ」を発売した。最初に発売される500台は、発売を記念した特別仕様車“First Edition”となる。

RZはプロトタイプとして2022年4月にワールドプレミアを行なっているが、それからちょうど1年後の発売である。新型RZは、先行したトヨタ bZ4X、スバル ソルテラと同じEV専用プラットフォーム(e-TNGA)を採用しており、トヨタ・グループの中で先頭を切って電動化に取り組むレクサスを象徴する重要なニューモデルとなっているが、それだけに細部の熟成に時間をかけた結果、1年後の発売になったと推測できる。

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レクサス初のEV専用モデルとして、モーター駆動技術によるレクサスらしい感性に訴えかける走りとデザインを体現したモデルとなっている。軽量、高剛性なボディにより車両の基本性能を大幅に進化させ、電動化技術を活用した前後2モーターによる4輪駆動力可変配分システム「DIRECT4」の採用などが特徴だ。

DIRECT4の駆動力配分制御は、車輪速センサー、加速度センサー、舵角センサーなどの情報を用いて、路面や走行状態を問わずクルマの接地荷重に応じて常に前後のモーターの駆動力を緻密に統合制御する。前輪:後輪100:0〜0:100の間で制御し、発進加速性、操縦安定性の向上、低電費に貢献。発進時、直進加速時は、車両のピッチングを抑え、ダイレクトな加速感が得られるように、前輪:後輪配分は60:40〜40:60程度で制御される。
また、リヤのモーターを制御するインバーターは、先進的で、より高効率なSiCパワー半導体を使用している。

ブレーキは、ブレーキフィーリングと回生効率を高めるため、前後独立油圧制御を採用し、前後回生協調が可能な新加圧ユニットを装備。違和感のないブレーキフィーリングと制動のシームレスなつながり、回生エネルギーの高効率化により航続距離の向上の役割も担っている。

サスペンションは、フロントにストラット式、リヤにはトレーリングアーム式ダブルウィッシュボーンを採用。路面入力の周波数に応じて伸び側ストロークの減衰力を変化させ、乗り心地を損なうことなく高い操縦安定性を提供する周波数感応ダンパー(FRD Ⅱ)をレクサスで初採用している。

ボディは軽量化、高剛性に加え、静粛性を高めるため、徹底した防音、遮音対策を採用。さらに空力性能の向上により空気抵抗の低減と気流騒音を抑制し、EVらしい静粛性を追求。

バッテリーは容量71.4kWhで、航続距離はWLTCモードで494km(20インチタイヤ)。モーター出力はフロントが204ps/266Nm、リヤは109ps/169Nm。

エクステリアのデザインは、EVならではの存在感とし、これまでのスピンドルグリルから、エンジンの冷却の必要がないEVの特徴やさらなる空力性能向上を目指して「スピンドルボディ」というソリッドなボディと一体となった造形としている。

またインテリア・デザインでは、SDGsやサステナブルなモビリティを中心に考え、素材や装飾によるラグジュアリーな演出に頼らない、洗練された空間にこだわり、機能的な本質を追求したシンプルさと、モノづくりの細やかさや上質さを両立させた仕上げとなっている。

ボディサイズは、全長4805mm、全幅1895mm、全高1635mm、ホイールベース2850mmで、グローバルDセグメントのクロスオーバーSUVとなっている。なおC+セグメントの「bZ4X」と比べ、ホイールベースは共通だが、RZのボディサイズは全体に一回り大型化され、ひとクラス上となっている。

RZは”Version L”のみのモノグレードとなっている。

特別仕様車“First Edition”はRZの発売を記念し、全国500台限定で販売される。特別仕様車専用の配色を施したバイトーンのボディカラー2種類をはじめ、大径タイヤの四隅配置をさらに強調する専用ブラック塗装ホイールを装着。

インテリアでは、ステアリングホイールへ特別仕様車専用の印字を、センターコンソール部に専用のプレートを配し、オラージュとブラックの専用カラー配色により、通常モデルとは異なる特別感のあるカラーコーディネートとしている。

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