レクサスは高性能スポーツクーペ「RC F」をマイナーチェンジし、より軽量化し空力性能を改良することで運動性能を一段と高め、2019年5月13日に発売した。
限界域での性能向上
RC Fは、2007年のIS Fに続き2014年10月に5.0L・V8エンジンを搭載した超高性能モデルとして登場。「公道からサーキットまでシームレスに走りを楽しめる」を開発テーマにし、レクサスのスポーツイメージや、運動性能の象徴的な存在となっている。
今回、マイナーチェンジされた新型RC Fはパフォーマンスをさらに進化させることを目指し、軽量化や空力性能のほか、パワートレーン、タイヤ、サスペンションなど、あらゆる点に改良を行ない、常用域での軽快な走りと限界域における優れた操縦安定性を実現している。
具体的な改良点では、まず車体の軽量化を行ない、従来型比約20kgの軽量化を実現した。シャシーではエンジンマウント、サスペンションメンバーブッシュ、ステアリングラックブッシュなどの剛性を高め、限界域での操縦安定性を向上。さらにタイヤも新たに専用タイヤを採用している。
エンジンは自然吸気ならではのリニアな加速フィーリングを際立たせるため、エンジン出力を向上させた他に、エアクリーナー形状変更による吸気性能向上と、スロットル制御の改良によりアクセルレスポンスを向上。またデファレンシャルのローギヤ化を図ることで、サーキット走行におけるアクセルでの車両コントロール性を向上させている。さらにエンジントルクを制御し、発進時のタイヤ空転を防ぐローンチコントロールを採用。スポーツ走行での鋭いスタートダッシュを実現している。
エクステリアでは、フロントスポイラーのコーナーにカナード形状を採用しダウンフォースを向上。サイドのロッカーモール後端にアンダーカット形状をつくることでリヤタイヤ周辺の乱気流を抑制するなど、空力性能を向上させている。また、前後のホイールハウスにエアアウトレットを設けることでホイールハウス内の空気の圧力を低減。最適なコーナリング姿勢やステアリングの応答性向上を図っている。
また新たに「Performance package」を設定。日本のスーパーGTや米国のデイトナ24時間レースなど、モータースポーツで培った技術を応用し、CFRPの外装部品やカーボンセラミックブレーキ、チタンマフラーなどの採用でさらなる軽量化を実現したほか、加速性能や空力性能も向上させ、より高い次元の運動性能を追求。内装では、専用のインテリアカラー フレアレッドや専用のオーナメントパネルレッドカーボンを採用している。
「Performance package」は、外装部品にCFRPを用いたカーボンフロントスポイラー、カーボン大型ロッカーフィン、カーボンエクステリアパーツ(エンジンフード+ルーフ)を採用したほか、軽量鍛造アルミホイール(マットブラック塗装)、チタンマフラーを装着。さらに専用装備となるカーボンパーテーションブレース、カーボンセラミックブレーキ、カーボンリヤウィング(固定式)を採用し、従来型比約70kgの軽量化を実現している。
また、ディスクローターはリヤもフロントと同径の380mmにサイズアップ。レッド塗色のブレーキキャリパー(フロント/リヤ)は「Performance package」専用だ。
専用のカーボンリヤウィング(固定式)は、標準仕様に採用されているアクティブリヤウィング以上のハイダウンフォースとロードラッグを実現している。
【価格(税込)】
- RC F:1021万909円
- RC F Performance package:404万円
- RC F Carbon Exterior package:1099万6364円