レクサスNX試乗記 レクサス初のプラグインハイブリッドはいかに?

レクサスNXがフルモデルチェンジをし、レクサス初のプラグインハイブリッドもラインアップして登場した。「Lexus Electrified」という大きな変革に向けての第1弾に位置付けられており、そのトップバッターとしてのデビューなのだ。

(左)レクサスNX250 VersionL AWDと(右)350h F Sport AWD

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モデル概要

NXはレクサスSUVのラインアップの中で、RXとUXの中間にポジションするモデルでGA-Kのプラットフォームを採用。RAV4やハリアーと共通する。ボディサイズは全長4660mm、全幅1865mm、全高1645mm、ホイールベース2690mmで先代モデルより全長、全幅が+20mmサイズアップしている。

そして電動化されていく中でもNXはグローバルで販売され、地域によって必要なパワートレーンは異なってくる。欧州ではエンジン車は販売しにくくなってきているものの、まだまだエンジン車が必要というエリアもある。そうしたマーケットニーズに対して多彩なパワートレーンが必至ということもあり、NXには6種類のパワートレーンが用意されている。

そのラインアップを見ると、450h+はレクサス初のプラグインハイブリッド。350hは2.5LエンジンのTHSⅡハイブリッドで、350は2.4Lターボ4WD。250には2.5LのNAエンジンというラインアップとしている。これに加えて機械式4WDとモーター駆動のAWD「E-Four」が組み合わされている。今回試乗できたのは「450h+VersionL E-Four」と「350h F sport E-Four」、「250VersionL 4WD」の3モデルで残念ながら、その350hと250は都内でのちょい乗り試乗だった。

450h+は18.1kWhのバッテリー容量を持ちAWDで、EV後続距離は90km。リージョナルな使い方であればEVだけで賄える距離だ。外部充電では急速充電には対応していない。パワートレインは2.5L PHEV E-Fourで、A25A-FXS型エンジン(185ps/228Nm)+THSⅡプラグイン+リヤモーターという組み合わせで、フロントモーターは182ps/270Nm、リヤモーターは54ps/121Nmを発生する。

静粛性を求めたい

EVモードでの走行はとても静粛性が高く、高級感たっぷり。高い速度域でも風切り音も抑えられ、ロードノイズも小さい。もちろんモーターならではの滑らかな加速が堪能でき、プレミアムモデルに乗っている満足感がある。しかしエンジンが稼働するとその音が室内に入ってくる。

その音質は心地よくない。ザラついた音はトヨタの量販ハイブリッドモデルに共通した音で、これはプレミアムモデルとしていかがなものかと感じ、EV走行時の静粛性の高さからくる満足感が一気にしらけてしまった。

操安性でも少し気になることがあった。それはスポーティでもなく鷹揚でもない、ちょうど中間なイメージで車格に見合うハンドリングだと思うが、ワインディングや首都高速などで、路面にアンジュレーションのある場所では路面変化に引きずられるように上屋が動いてしまうことだ。決して乗り心地は悪くないのだが、サスペンションの設定なのか車速が速いと揺すられていると感じてしまうのだ。

例えれば茹で時間が足りなかったパスタのようで、表面はソフトなちょうどいい塩梅だが、芯が残っている。サスペンションは小さい動きは良く減衰し、ソフトな乗り心地になっているが、大きい荷重になると突っ張っている印象だ。レクサスでは「すっきりとした奥深いハンドリングと進化した乗り心地」としているが・・・。

じつは皮巻きステアリングにも似たような印象をもった。表層はソフトタッチの高級なレザーで、握り込むと中の芯を感じる。憶測だが北米での主力はレクサスRXだが、近年NXの人気も高まり、全体的に北米、中国を意識した高級感づくりの手法なのか?と感じた。

パワートレインの違いはダイナミック性能にも

反面NX250はオーソドックスな印象で、軽快さもあり好印象を持つ。NAエンジンと8速ATはイメージ通りの加速をし、出力トルクも落ち込みのない期待値通りのパワーを出す。そして、いつシフトアップしたのかわからないほど滑らかに高ギアへとチェンジする。乗り心地も想像したとおりのもので、上屋の動きは気にならない。450h+との違いは車重の影響なのか、全体的にコンベンショナルな動きをするNX250に不満はなかった。

250VersionLのインテリアはエントリーモデルでも高級感たっぷり

350hでは450h+で感じたエンジン音がとても気になった。こちらはエンジンを中心としたハイブリッド走行なので稼働時間もPHVの450h+とは比較にならないほど多い。つまりエンジン音が常に室内に入ってくる印象だ。またロードノイズや風切り音は450h+と同様、よく抑えられている。

ハンドリングはゆったりとした印象で、スポーツギアとしてのNXというには少し大人っぽい印象で、新型NXの開発コンセプトである躍動感と先進技術という点では少し異なる印象だった。

先進的なインテリア

先進技術ではHV、PHV車のナビの先読みエコドライブが新しい。目的地を設定すると路面状況を先読みして最適な走行モードを選択する仕組み。おそらく路面の傾斜を踏まえてエンジン稼働を判定していると思う。テストは450h+で行ない、目的地設定したあとドライブモードは「AUTO」を選択。

ところがその有り難みを感じるのが難しい。というのはバッテリーの充電状況がよければほぼEV走行だし、上り坂になるとエンジンが稼働してくる。ある意味想像の範囲内でありスマートさを実感しないというのが本音だ。ただAUTOを選択していれば最適なモードで環境負荷の小さいモードで走行していることは間違いないのだが。

コックピットデザイン思想はTazunaコンセプトで新開発され、コックピット全体がドライバーオリエンテッドにデザインされている。Tazunaコンセプトでは操作系はすべてドライバーの手元にあるという狙いで設計デザインされているものだ。

開発時間が短かった?

ステアリングにはACCの設定やメーターパネル、ヘッドアップディスプレイの操作などが、ハンドルから手を離さなくても操作できるようになっているが、タッチパッドも採用しているため手のひらで触ることが多く、気づくと画面が変わっていたり、設定画面が表示されていることもしばしばあった。

ACCはワンタッチで設定でき実用性が高いと感じるが、キャンセルスイッチが2アクション必要なのが気になる。もっともブレーキペダルを踏めば一瞬で解除できるものの、高速道路で危険がない時にストップランプを点灯させるのはいかがなものかとも思ったからだ。

音声認識のAIはオーナーになり学習を重ねることで使い勝手が良くなっていくと思う。今回の試乗のような場面ではあまり魅力は感じられなかった。というのは音声でも「ヘイ!レクサス」の発話で作動し「温度を上げて」で温度があがる2ステップだからだ。手動でクライメートコントールをダイヤルしたほうが早いとは如何せん天邪鬼か。そのクライメートコントロールもクリック感が弱く、常にオーバーシュートするので「戻し」操作が必要という点でも細部の煮詰めが甘いと感じた。

地図の拡大・縮小でもてこずった。拡大した地図を縮小して元のサイズにしたいと思った時、拡大に対しては縮小だと考え、「縮小して」といったが認識されない。また「広範囲にして」も認識されず、結局小さくできなかった。こうした専用の用語が必要になったり、用語をドライバーが学習する必要があるのでは魅力は薄いと感じたわけだ。とはいえAIであればいずれ「縮小」も「広範囲」も認識できるようになるのだろう。

レクサスNX450h+VersionL AWD

次世代レクサスのトプバッターとして登場したNXだが、順次上のクラス、下のクラスにも反映されていくと思うが、パワートレーンが変わるとダイナミック性能も変わるので、どれがレクサスNXなのか魅力を探るという試乗になってしまった。また、プレミアムモデルのレクサスには「静粛性」の改良は期待したい。<レポート:高橋アキラ/Takahashi Akira>

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