2020年11月19日、レクサスはフラッグシップ セダン「LS」のマイナーチェンジを行ない発売しました。なお最新のADASシステムを装備し、自動車専用道路で前車に追従して車間距離を維持する、またレーンチェンジ、追い越しを支援する最新の高度運転支援技術「Advanced Drive」搭載モデルは2021年に発売することも発表しました。
主な改良点
今回のマイナーチェンジでは、上質な走りの深化を目指し、静粛性と乗り心地をさらに熟成。パワートレーンやサスペンションのチューニングからシートの縫製など、細部に至るまでフラッグシップにふさわしい作り込みを行なっています。
エクステリアデザインは、ヘッドランプ周りのデザイン変更、フロントグリルとリヤコンビネーションランプの表面処理を変更しています。
また、最新の塗装技術により深い陰影と艶やかで鏡面のような質感を実現した新規開発のボディ色「銀影(ぎんえい)ラスター」を設定しています。
インテリアは新たにタッチディスプレイを採用し操作性を向上。さらに日本独自の美意識に由来した世界観をインテリア空間に取り入れることを目指し、銀糸を織り込んだ西陣織とプラチナ箔など、匠の手によって作られる素材を新採用しています。
3.5LのV型6気筒ツインターボエンジンは、使用頻度の多い走行領域でのエンジントルクの立ち上がりを向上。そのため電動ウエストゲートバルブを採用し、緻密に過給制御することでエンジントルクの精度を高め、車両の加速レスポンスを向上させています。また、トランスミッションのシフトスケジュールを変更し、ギヤ段を維持したまま加速できる領域を拡げることで、シフトダウン頻度を低減しています。
エンジンの細部では、燃焼室形状の最適化により、燃焼効率を向上させた他、コンロッド形状の最適化やクランクシャフトのクランクピン径の拡大による軽量化、可変バルブタイミング機構を油圧タイプに変更しています。
サスペンションでは減衰力可変ダンパーAVSに、新たに設計した油圧制御用ソレノイドの流量を拡大したオイル流量制御バルブを採用。減衰力を低減し、上質な乗り心地としています。
その他に、ランフラットタイヤの縦バネ剛性、スタビライザーバーのばね定数、バウンドストッパーの先端剛性を最適化。エンジンマウント内のオリフィスの変更などにより、室内に伝わる振動や衝撃を低減しています。
デザインの作り込み
フラッグシップであるLSならではの価値を高めることを目指し、今回は「月の道」という自然界の神秘的な情景をモチーフに、内外装をコーディネートし、レクサスの存在感を主張しています。
エクステリアでは、輝きと奥行きを感じる深い陰影が特長のシルバーのボディ色「銀影(ぎんえい)ラスター」を新規開発。光輝材(アルミフレーク)を含んだ塗料の体積を凝縮させる「ソニック工法」を応用し、蒸着アルミを高密度で敷き詰める最新の塗装技術を採用することで、鏡面のように粒子感をほとんど感じさせない滑らかな質感を実現しています。
インテリアは、様々な表情を感じさせるデザインとし、オーナメントにプラチナ箔&西陣を新規設定し、西陣織の銀糸やプラチナ箔の輝きにより、月明りに照らされた波の揺らぎによる「月の道」を表現しています。
ハンドルとセンターコンソールのスイッチ類は黒で統一。また使用頻度の高いシートヒーターとステアリングヒーターの操作画面を表示させるスイッチを、センターコンソールに追加することで操作性を向上。
マルチメディアシステムは、新たに12.3インチ タッチワイドディスプレイを採用。スマートフォンとは、SmartDeviceLink、Apple CarPlay、Android Autoにより連携することが可能になっています。
高度運転支援システム
新型LSは、Lexus Safety System+Aを全車に標準設定しています。このシステムはプリクラッシュセーフティの対応領域を拡大し、交差点右折時に前方から来る対向直進車や、右左折時に前方から来る横断歩行者も検知可能に。また低速時の衝突回避や被害軽減をサポートする低速時加速抑制などの機能が追加されています。
カメラで道路標識を読み取り、メーター内に表示する「ロードサインアシスト(RSA)」は最高速度120km/hまで表示できるように変更。
なお2021年に発売予定の「Advanced Drive」モデルは、自動車専用道路での運転において、ドライバー監視の条件下で、車載システムが適切に認知、判断、操作を支援し、車線・車間維持、分岐、レーンチェンジ、追い越しなどを実現することになります。そのためドライバーはアクセル、ブレーキそしてハンドル操作から解放され、疲労を軽減できるようになります。