レクサスLM 500h Executiveライバル不在の最高級ショーファードリブンミニバン【試乗記】

レクサスLM500h EXECUTIVE AWDに乗ってみた。ご存知のようにレクサスの最高級ミニバンでショーファードリブンのVIP御用達モデルだ。

2024年5月にこのLMに3列シート6座仕様の「versionL」が追加され、実質オーナーカーとしてはこのバージョンLがトップモデルだ。

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一方で、このエグゼクティブは、2023年4月の上海モーターショーでワールドプレミアされ、同年10月から国内でも受注開始されている。もともとは2020年にアルファードをベースにして中国、台湾、インドネシア、インドなどのアジア市場における富裕層向けで、専属運転手がドライブするVIPカーとして発売している。そして、LM500h エグゼクティブAWDは2代目となり、国内では初代となるが試乗する機会があった。

ど迫力のスピンドルボディ

ベースはTNGA-Kプラットフォームを採用し、ねじり剛性を従来比1.5倍に高めている。パワートレインはヴェルファイアにも搭載する2.4Lターボとモーターを内蔵する6速ATでフロントを駆動し、リヤに高出力モーターを搭載するAWDだ。システム総合出力は371psで0-100km/h加速6.9秒という動力性能があるのだ。ちなみに車両重量は2460kgと重量級である。

エクステリアはボディカラーと同色に塗られたスピンドルボディが一段と存在感を示し、かなり押し出しが強い印象を受け、国内では異質とも感じる迫力だ。ボディも段差を少なくしたフラッシュサーフェイスを目指したデザインで一体感のあるフォルムになっている。

運転手気分

まずはハンドルを握ってみると、シートバック後ろの隔壁が気になる。これは通常のミニバンであれば、背中より後方は空間になるが、エグゼクティブでは後席のプライバシー確保のための隔壁があり、それだけで「運転手」になった気分だ。

約2.5トンある重量は動き出すといい意味での重量感があり、どっしりとした動きで偉そうな空気を感じる。サスペンションは周波数感応バルブ付きAVSで、ゆったりとした乗り心地が作られ、高級車然とした印象だ。ステアリングは軽く、重量感はないが適度な手応えを感じながら操舵できる。

もちろん静粛性を高めるため源音の低減や遮音、吸音対策は徹底しているが、2列目、後席への対策に重点を置き快適性を底上げしているわけだ。運転席では静粛性は感じられるものの、そうした意味でのゆとりの空気ではなく静かな運転席といった印象だった。

気になる2.5トンの重量だが、これが驚くほどパワーのあるユニットだった。箱根の山道も登り坂であることを感じる場面がないほど力強く、エンジンの回転が高くなるなどの息苦しさも出てこない。いつまでも静粛性を保ったまま箱根の山を登っていく様はVIPカーであることを実感する。

完璧にプライバシー確保

さて、500hエグゼクティブAWDの後席に座ってみる。目の前には48インチの大型ワイドディスプレイが車幅一杯に広がり、運転席とは壁で隔たれており、プライベート空間が作られている。その隔壁には小さな開閉式窓ガラスがあるものの、後席から開閉操作ができ、なおかつ瞬時にスモークガラスに偏光させる機能も備わり、ますますプライベート空間が際立つのだ。

この隔壁にある窓ガラスを閉めると前席の音がなくなる。例えばナビゲーションの案内音声が聞こえなくなるのだ。わずかに聞こえるのではなく、全く聞こえなくなる遮音性を持っていた。つまり、運転手の存在を消すことができる後席の居住空間というわけ。

ファーストクラス以上の空間という説明で、至れり尽くせりは言うまでもない。エグゼクティブに相応しい大型シートはフルリクライニングし、2mの身長でも隔壁に足が届かないように工夫もされている。もちろん冷蔵庫やテーブル、サンシェードも装備し、快適な移動空間になることは間違いない。リヤサスペンションだけがコンフォートになるモードまであるのだ。大型スクリーンではネット会議ができる仕様にもなっており、まさにエグゼクティブな仕様であり、言うまでもなく個人所有というより、社用車をメインとしたニーズに対応したモデルだ。

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