レクサスは中国で2016年4月25日から5月4日にかけて開催されている第14回北京モーターショーに、マイナーチェンジした新型スポーツセダン「IS」を出展した。新型は歴代ISが受け継いできた個性をさらに際立たせるため、よりアグレッシブなデザインとしたほか、内装の質感を向上。またサスペンションを熟成して運転の楽しさを進化させている。
ISは持ち味とするスポーティな走りとデザインで、レクサスのラインアップにおけるスポーツセダンとしてシェア拡大に大きく貢献してきた。米国/欧州/日本などの地域では、購入者の半数以上がレクサスにとって新規のユーザーであり、若年層を中心にユーザー層の拡大を図っていく重要モデルとなっている。
また米国では高級車市場の一角を占める重要なカテゴリーである“Near Luxury”にISは所属している。日本では聞き馴染みがないが、いわゆる中型高級車のことである。この市場は年齢の若いユーザーが多く、性能面での評価に加えて、何者にも似ていない個性が購入決定の重要な要素となっている。
そこで新型ISでは高く評価されたデザインのさらなる進化を狙って、デザインのキーワードを“Aggressive Sports”とした。具体的にはヘッドランプやリヤコンビネーションランプ、フロント及びリヤバンパーを中心に、力強くスポーティなスタイリングを実現した。以下は各パートごとに紹介しよう。
フロントまわりは、フェンダーからダイナミックにつながる塊感のあるバンパーコーナーにより、スポーティでアグレッシブな造形を追求。ヘッドランプはL字型のクリアランスランプと連続性を高め、内側に延長した特徴的な形状とし、鋭さを強調したデザインとしている。
次にレクサスのデザインアイコンであるスピンドルグリルは、上下の比率を変化させ、グリル下部がより大きく広がり、両下端のブレーキダクトへ空気を導く機能性も表現した、低重心でスポーティな印象を与える造形とした。
また“F SPORT”は、3次元F字メッシュパターンにジェットブラックメタリックコーティングを施した独自のスピンドルグリルに、ブレーキダクトと関連を持たせたサイドガーニッシュを組み合わせて、スポーティなイメージの付与と空力性能向上を両立している。
リヤビューは、コンビネーションランプの内部に大胆な造形のL字を3つ層状に重ねた奥行きのあるデザインや、エギゾーストパイプの形状変更により、スタンスの良さを強調している。
一方でインテリアは、機能性の向上やISが本来持つスポーティさを進化させ、レクサスのセダンとしての質感の高さを向上させている。
具体的にはマルチメディアディスプレイを10.3インチに拡大。ナビゲーションやオーディオの情報をより大きくより鮮明に表示し、リモートタッチ側面にEnterボタンを設置して操作性も向上させている。またメーターフードはスタートスイッチを押しやすい角度に調整したほか、フードステッチの通し方を変更することでスポーティさを演出している。
またヒーターコントロールパネルとオーディオパネルを質感の高いヘアライン調に変更したうえで、大型化したニーパッドで両端から挟み込む構成とすることにより、車格感の向上を目指した。加えて、カップホルダーの使用性向上やアナログクロックの視認性向上など、細部に至るまで質感の高さと利便性を追求している。
新型ISには最新の予防安全パッケージである「Lexus Safety System+」を採用。歩行者検知機能付き衝突回避支援タイプの「プリクラッシュセーフティ」、車線逸脱による事故の予防に貢献するステアリング振動機能付きレーンデパーチャーアラート(LDA)、夜間の前方視界確保を支援するためロー&ハイビームを自動で切り替えるオートマチックハイビーム(AHB)、そして設定車速内で先行車の車速に合わせて速度を調節することで一定の車間距離を保ちながら追従走行できるレーダークルーズコントロールをパッケージ化し、多面的な安全運転支援を強化している。
なお、新型ISの日本での発売は、2016年秋頃を予定している。