レクサス 「IS」をマイナーチェンジ 走りを熟成

レクサスは2020年11月5日、コンパクトFRスポーツセダン「IS」をマイナーチェンジし、同時に特別仕様車“F SPORT モードブラック”を設定し発売しました。

IS 300h バージョンL

レクサスISの現行モデルは3代目で、2013年に登場していますが2016年にマイナーチェンジを受けており、今回は2回目のマイナーチェンジです。すでにニューヨークで6月に発表されています。ライバルはBMW3シリーズなどヨーロッパのスポーツセダンで、真正面から挑むモデルと位置付けられます。

IS 350 F SPORT

ホイールにハブボルト式を新採用

今回、マイナーチェンジではニュルブルクリンクを模したコースを持つテクニカルセンター下山をはじめ、世界各地で走り込み、走りの性能をより熟成しています。熟成に当たっては感性性能を重視し、ドライバーの意図に忠実でリニアな応答を追求してます。

具体的には、ドライバーの入力に対する俊敏な応答性や、ばね上の無用な動きの抑制などによりフラットライドを追求。さらにステアリングやペダルの初期応答だけでなく、「戻す」際のコントロール性の向上にも取り組むなどドライバーの感性を重視し、運転操作をより滑らかなものとしています。また同時に不快な振動やノイズといった雑味を抑え、滑らかなフィーリングを追求しました。

そのために、サイドラジエーターサポートの補強、フロントサイドメンバーのスポット打点追加、Cピラーからルーフサイドにかけての構造最適化などによりボディ剛性を向上させ、ハンドル操作に対するレスポンスなど運動性能を向上させ、滑らかな乗り心地としています。

スウィングバルブショックアブソーバー(フロント:左))とリヤ

ダンパーは、オイル流路に非着座式のバルブを設け、微小な動きに対しても流路抵抗による減衰力を発生させる「スウィングバルブショックアブソーバー」(NAVI・AI-AVS非装着車専用)を採用。ダンパーのストローク速度が極めて低い場合でも減衰力を発揮する特性を実現しています。

また、ホイールの締結は従来のハブナット式からヨーロッパ車と同じハブボルト式を採用。これによりホイールの締結力の強化と質量の低減を図っています。なお、ハブボルト方式は今後レクサス全モデルに拡大される予定になっています。

ハブボルト式のホイール締結

また、新採用の19インチタイヤは高剛性化によりコーナリングフォースを大幅に向上するなど、気持ちの良いハンドリングとブレーキング性能に貢献しています。

エクステリアとインテリア

エクステリアは、よりアグレッシブさを追求。低重心で4ドアクーペのようなプロポーションに抑揚のある造形としています。

ヘッドライトは新開発の小型軽量ランプユニットを採用し、薄型のデザインに変更。前後フェンダーは+30mmと、より張り出しを大きくし、Lシェイプ一文字シグネチャーランプ、立体的なバンパーガーニッシュを採用。さらに新デザインの19インチタイヤや、ワイドなトレッドによりスポーティな走りを予感させるプロポーションとしています。

リヤ周りは、傾斜したリヤクォーターピラーが後方に絞り込まれ、張り出したリヤフェンダーとのコントラストを強調。なおリヤフェンダーのシャープなキャラクターラインを実現するために、ボディパネル製造工程で内側から突き上げる成形を追加した「突き上げ工法」を採用。

さらに上下方向のプレスの動きに合わせて金型が横方向からスライドする機構を取り入れ、緻密で立体的な造形を可能とする「寄絞り(よせしぼり)工法」を世界で初めて開発し、ラゲージ後端部のキャラクターラインが高精度でシャープな造形を可能にしています。

インテリアは、インストルメントパネル上部やドアパネルにカラー素材を設定しツートーン配色としています。ドアトリムの一部にはレクサスの新たな加飾表現である複数のエンボスラインを交差させたグラフィックパターンを採用。オーナメントパネルにアッシュ(オープンフィニッシュ/墨ブラック)、ブラックジオメトリーフィルム、F SPORT専用サテンクロムなどを新規採用しています。

IS 300h バージョンLのインテリア

マルチメディアシステムは、新たに10.3インチのタッチディスプレイを採用し、SmartDeviceLink、Apple CarPlay、Android Autoに対応できるようになっています。

F SPORT

F SPORTは前後異サイズ19インチホイールを専用設定。その他にスタビライザー、EPSなどを専用チューニングしています。さらに、ダンパーの減衰力を最適に制御するNAVI・AI-AVSを標準装備し、状況に応じて優れた乗り心地と走行安定性を両立。コーナリング時にはシャープなハンドリングと相まって、F SPORTならではの走り味としています。

IS 350 F SPORT

また、F SPORT、Fモデルは専用のFメッシュデザインのスピンドルグリルを採用。グリルロワ部のエアインテーク、サイドにロッカーモールフィン、リヤスポイラーとリヤバンパーロワガーニッシュを採用し、ピアノブラック塗装のカラーリングとすることで、スポーティさ、精悍さを表現。

下山テクニカルセンターのコースを走るIS 350 F SPORT

その他ではF SPORT専用ボディ色として、ラディアントレッドコントラストレイヤリングを採用。深みのある赤が実現しています。

先進安全装備

単眼カメラとミリ波レーダーの性能向上により、昼間の自転車運転者や夜間の歩行者も検知可能な「プリクラッシュセーフティ」を実現。交差点右折時に前方から来る対向直進車や、右左折時に前方から来る横断歩行者も検知可能になっています。

機能を拡大したプリクラッシュブレーキ

さらに、ドライバーの回避操舵をきっかけに自車線内で操舵をアシストし、車両安定性確保と車線逸脱抑制に寄与する緊急時操舵支援や、低速時の衝突回避または被害軽減をサポートする低速時加速抑制などの機能を新規に追加しています。

緊急時操舵支援機能

高度運転支援機能「レーントレーシングアシスト」は、カメラ認識技術の向上によりレーントレース性能が大幅に向上し、緩やかなカーブでの支援に加え、滑らかにレーン中央をキープする走行が可能になっています。

また「レーダークルーズコントロール」は全車速追従機能付に進化しています。さらに「オートマチックハイビーム」、カメラで主要な道路標識をメーター内に表示する「ロードサインアシスト」も採用しています。

この他にドライバー異常時対応システムを搭載。「レーントレーシングアシスト」作動中にドライバーの無操作状態が継続した場合、音と表示と緩減速による警告でドライバーに操作を促し、それでも反応がないとハザードとホーンで車外に異常を報知しながら自車線内に減速停車し、自損加害事故の回避・事故被害低減を支援するなど、最新のシステムに進化しています。

価格

IS350/IS300h 特別仕様車「F SPORT モードブラック」

特別仕様車専用のBBS鍛造アルミホイール(マットブラック塗装)、F SPORT専用本革シート、トルセンLSD、専用のオーナメントパネル、F SPORT専用8インチTFT液晶式メーター、三眼フルLEDヘッドランプなどを特別装備しています。

IS350 特別仕様車「F SPORT モードブラック」

価格

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