レクサス 超弩級スーパースポーツセダンの「GS F」を新発売

GSF_012015年11月25日、レクサスは「日常からサーキットまで、誰もがシームレスに走りを楽しめる」という「F」のフィロソフィーを幅広く展開するために、より実用性の高い4ドアスポーツセダンのGS Fを発売した。Fモデルの新型セダンは2007年に発売されたIS F以来8年ぶり。日常生活になじむスタイルでより幅広い層にFの世界をアピールするのが、今回の導入の狙いだ。

GS Fは同日にマイナーチェンジしたGSをベースモデルとして、エンジン回転の滑らかさと レスポンスの良さをさらに進化させた5.0LのV8エンジンや、レーザースクリューウェルディング(溶接技術)などの先進技術で強化したボディ剛性などにより、優れた走行性能を実現。さらにTVD(トルクベクタリング・デファレンシャル)やスポーツモード付きVDIM(ビークルダイナミクス・インテグレーテッドマネージメント)、上下加速度センサー付きABSなどを標準装備することで、高い操縦安定性と走る楽しさを両立させている。
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また内外装デザインでは優れた機能美と上質さを融合させることで、 Fモデルとしてのラグジュアリーな大人のスポーツセダンを演出。さらに多面的な安全運転支援を強化するべく予防安全パッケージの「Lexus Safety System +」を採用し、安全・安心にも一層配慮している。新型GS Fの価格は1100万円(消費税込み)で、月間販売目標は20台となっている。
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新しいGS Fのハイライトは、やはりパワーユニットだろう。直噴機構D-4Sを搭載したV型8気筒の5.0Lエンジンは、吸排気バルブの開閉タイミングを制御するVVT-iEの最適化などにより、351kW(477ps)という高出力を実現。エンジン組み立て後に1基ずつ回転バランスを調整し、自然吸気エンジンならではのリニア感やレスポンスの良さを、さらに高次元へと引き上げた。また街中などでの定常走行域ではアトキンソンサイクルとすることで燃費・環境性能も向上させている。

ダイレクトな加速を味わえるトランスミッションの8-Speed SPDSは、Mポジション選択時には最短0.1秒で変速し、本格的なスポーツ走行を楽しめる。また原音と調整音でサウンドメイキングを行なうアクティブサウンドコントロール(ASC)も前後 2スピーカーのシステムへと進化。エンジン音に加えて排気音も、より迫力のあるサウンドとなった。
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優れたボディ剛性を実現するため、レーザー溶接やスポット打点の増し打ちに加え、高剛性ガラス接着剤など最新のボディ製造技術を導入。さらにフロントブレース、リヤボディブレースの剛性向上、ボディとの締結構造の追加などを実施し、サーキット走行に対応する強固な骨格を実現している。
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空力面では、フラットな整流面をもつエンジンアンダーカバーを採用。またリヤフロアアンダーカバーによる床下切り上げ角の最適化など、フロア下の整流を徹底追求。さらに各アンダーカバーにエアロスタビライジングフィンを設けて、空気の流れを積極的に利用することで優れた 操縦安定性を確保している。

ブレーキは、フロントにアルミ対向6ピストン、リヤにもアルミ対向4ピストンのモノブロックキャリパーを採用。さらにマスターシリンダーの大径化などにより、高い応答性とリニアな効きを追求している。また高摩擦パッドで高い剛性と耐フェード性を確保。さらに高性能を際立たせるF専用のオレンジブレーキキャリパー(前後)をオプション設定としている。
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サスペンションはジオメトリーの最適化を狙ってパーツを新設計。高い剛性の確保とロール剛性の適正化を実現し、ステアリング系とも協調することで操舵レスポンスを向上している。また駆動力制御システムのTVDを標準装備。走行状態に応じて後輪左右の駆動力を最適に電子制御して、コーナリング時に理想的な車両挙動を実現。スタンダード/スラローム/サーキットの3モードを設定している。

なおスポーツモード付きVDIMは、自らのスキルでサーキット走行を楽しみたいドライバーのために、基本的にVDIM制御をオフ状態としながらも、万一の際には車両挙動の乱れを緩和する制御が働くEXPERTモードを設定。さらに上下加速度センサーを採用したABS制御や、TVDとの協調制御によりVDIM機能を進化させて、高い車両安定性と走りの楽しさを両立している。

エクステリアも通常のGSとは差別化されている。とくに大きく張り出したフェンダーフレアと、「F」を 象徴する4連エキゾーストディフューザーを配置した力強いリヤビューがダイナミズムと機能美を表現。もちろんフロントにも冷却性能に配慮した大型のスピンドルグリルやエアダクトを配置。FのアイデンティティでもあるL字型のサイドエアアウトレットも採用している。

さらにグリルロアモールとリヤスポイラーにカーボンパーツを採用。軽量化と高剛性化を両立して、効果的なダウンフォースに寄与する。F専用の漆黒メッキグリルモールに加えて、センターピラーとアウターミラーにはホイールの色味とコーディネイトした艶金属調ダーク塗装を施して、Fのスポーツマインドを表現している。さらにアルミホイールには鍛造と三次元切削によって、精緻なスポークがレイヤーで構成された新意匠の 19インチを採用している。
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インテリアも専用内装としている。前2座のシートにはアスリートのボディスーツをモチーフとしたデザインと、高いホールド性を実現した表皮一体発泡成型によるハイバックタイプを採用。サーキット走行を楽しめる性能と一般走行での快適さを両立。リヤシートは特徴的な縫製とステッチをそのままに、フロントのハイバックシートと共通イメージの専用シートを採用している。
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本革巻のステアリングはサーキット走行を繰り返し行なったテストドライバーの評価により、理想的な太さとグリップ感を実現。大型のパドルシフトは操舵時においてもステアリングから手を離すことなく操作が可能。ステアリングホイールとシフトノブには、Fの記号性でもあるホワイト/ブラック/ブルーの3色による、かがり縫いステッチを採用している。

新型GS Fではペダルを踏み込む際の軌道とリンクしたスリットパターンを新開発して、アルミ製ペダルとフットレストに採用。それぞれのペダルに求められる機能性を向上させている。また運転に必要な情報をセンターの大径メーター内に表示。4つあるドライブモードに準じてメーター表示が切り替わる大口径センターメーター(液晶表示切替式)を採用している。

必要な情報を素早く認識できるカラーヘッドアップディスプレイはオプション設定。車速や簡易ナビ表示などのほか、スポーツモード表示では回転数やシフトポジションなど、必要な情報を視線の先に表示してくれる。メーターフードやインパネ上部、センターコンソール、ドアアームレストなどにアルカンターラを採用して、機能性と質感表現を両立。さらにインパネ表皮にはレクサススポーツの象徴であるLFAにも採用されたLEXUSロゴ入り飾り鋲を4箇所に配置している。

可倒式の後席センターアームレストにはカップホルダーや収納ボックスに加えて、空調やオーディオ、電動リヤウインドウサンシェードの各操作が可能なコントロールパネルを設定。オーナメントパネルには名栗の切削加工技術を最新の生産技術と匠の技で再現した本アルミ(名栗調仕上げ/ミディアムシルバー)を採用。さらにカーボンおよびフォージドコンポジッ トカーボンをオプション設定している。

予防安全パッケージの「LexusSafetySystem+」は標準装備だ。これは歩行者検知機能付き衝突回避支援タイプのプリクラッシュセーフティ、車線逸脱の可能性を運転者に知らせるレーンディパーチャーアラート(LDA)、先行車や対向車を遮光したままハイビームで周囲を照らし、夜間の歩行者を早期発見に寄与するアダプティブハイビームシステム(AHS)、高速道路で先行車との車間距離を適切に保ちながら追従走行ができるレーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付き)をパッケージ化 して、多面的な安全運転支援を強化している。

なお今回のGS Fの導入により、現行のFモデルはクーペのRC Fと合わせて2モデルになった。クーペのRC Fは「F」がスポーツカーであることをより強調し、またレクサスのモータースポーツ参戦のベース車としてFのハイパフォーマンスを象徴する役割を果たす。一方でセダンのGS Fは「F」のフィロソフィーをより実用性の高い4ドアモデルで体現することで、レクサスのエモーショナルなイメージをさらに強化していく。

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