【フォルクスワーゲン 東モ】「up!」をベースにしたPHV「twin up!」をワールドプレミア 燃費は90.9km/L

00006999_s
容易にパワートレインを電動化できるプラットフォームを前提にプラグインハイブリッド・コンポーネンツを搭載

2013年11月20日、フォルクスワーゲンは東京モーターショーで、ディーゼルエンジンとプラグインハイブリッドを組み合わせた「twin up!」のワールドプレミアを行なった。up!をベースにした「twin up!」は、4人乗り乗用車としては驚異的な燃費と、EV走行50kmを実現しているという。

VWはすでにオールカーボンボディの限定生産車「XL1」(2人乗り)で、0.9L/100kmの燃費を達成しているが、「twin up!」は量産モデルのup!をベースに、XL1のエンジン/ハイブリッド・コンポーネンツを搭載した、先行実験車だ。すでに仕上がり状況は、いつでも量産可能というレベルにまとめられている。

00006987

VWの最新モデルはすべて、従来型の内燃エンジン駆動の他に代替駆動システムも搭載できるように基本設計されている。したがって「twin up!」に超小型プラグインハイブリッドシステムを搭載するのも、困難ではなかったという。量産仕様のup!との違いは、短かったフロントオーバーハングが30mm延長されている点だけだという。

「twin up!」の駆動ユニット(システムパワーは55kW)は、車両のエンジンルームに搭載され、内燃エンジンは0.8L/2気筒のTDIディーゼルエンジン(35kW)、電気モーター(35kW)、7速DSG(DQ200 E型)パワーエレクトロニクスから構成されている。クルマの後部、リヤシートとラゲッジルームの下にはリチウムイオンバッテリー(容量は8.6kWh)、電装システムのための12Vバッテリー、33Lの燃料タンクが搭載されている。

P1110054
展示された「twin up!」量産車ベースだが未来感を演出
00006984_s
機能を識別できるエンジンカバーにデザインされている

「twin up!」は、優れたな空力特性(Cd×A=0.30×2.08㎡)、PHV用のバッテリーの追加にもかかわらず、軽量な車重(1205kg)、軽量なプラグインの駆動コンポーネント、転がり抵抗を最小にしたタイヤ(サイズは165/65R15)により、エネルギー効率が高く、完全な電気走行モードで50kmの走行距離を実現。またEVモードでの最高速は125km/hとされている。ヨーロッパのPHV用の燃費基準モードでの測定で「twin up!」は1.1L/100km (二酸化炭素排出量に換算すると27g/km)という、驚異的な燃費を実現している。
動力性能は、0-100km/h加速が15.7秒、最高速は140km/h。軽快な走りは215Nmというトルクによるところが大きい。

00006998_s00006993_s

2気筒/0.8LのTDIディーゼル・エンジンは、現在ヨーロッパで市販されているゴルフなどに搭載されている1.6L・ 4気筒のコモンレール・ディーゼルを半分にしたもので、88mmのボアピッチ、ボア×ストロークは81.0mm ×80.5mm。0.8Lという排気量に合わせ、専用の凹型ピストン、専用のインジェクター、バランスシャフトを装備。このエンジンと7速DSGの間にクラッチ付きモーターが装備される。モーターの駆動電圧は308Vだ。なお、7速DSGの変速は、ドライバーの要求トルク=スロットル開度とエンジン負荷、電力サプライ(バッテリーの充電状況など)、慣性、電気エネルギーなどをパラメーターとして最適変速できるようにプログラムされている。

00006989_s
メーター、ディスプレイはすべてデジタル。タッチディスプレイを採用しスイッチ類はなし

「twin up!」は、量産モデルとは異なり、インテリアのディスプレイはエアコンのコントロールなども含めすべてデジタル表示され、ブルーとホワイトのカラーを用いた非常に正確で精緻にデザインされたグラフィックとディスプレイにより、未来的なデザインになっている。

Dr Heinz-Jakob Neuer
VWブランドの開発担当取締役のハインツ・ヤーコブ・ノイサー博士

東京モーターショーでは、VWブランドの新任開発担当取締役のハインツ・ヤーコブ・ノイサー博士により、この世界初公開となる「twin up!」と日本初公開の「e-up!」、「e-GOLF」が紹介された。「e-up!」、「e-GOLF」の日本での発売時期は未定だが、2014年中には発売したいとVWジャパンは考えている。一方、「twin up!」は技術的には完成度が高いものの、PHVというシステムを備えるためコスト的なハードルが高く、現時点では先行研究実験車という位置付けになる。

VWジャパン公式サイト

COTY
ページのトップに戻る