フォルクスワーゲン新型「ポロ」試乗記 上級モデルの装備が満載!

VWポロがマイナーチェンジを行ない、早速試乗してきた。ポロは2018年に6代目として国内導入されているが、エクステリアデザイン、新世代エンジンへの換装、先進安全技術のアップデートが行なわれている。

新型ポロ「スタイル」。試乗日はあいにくの天候だった。

このマイナーチェンジでグレード名の変更も合わせて行なっている。ベースグレードのトレンドラインが「アクティブベーシック」、コンフォートラインが「アクティブ」、ハイラインが「スタイル」となった。そしてR-Line、GTIは変更なしで、R-Lineまでが同じパワートレインを採用している。

そのパワートレインは、新世代のEA211evo型エンジンで排気量は999ccで出力は70kW(95ps)/5000-5500rpm、最大トルクは175Nm/1600-3500rpmとなっている。新世代エンジンになって、出力の絶対値に変更はないものの、最大トルク発生回転が2000rpmから1600rpmへと低められたことにより、市街地などでの扱いやすさは向上している。組み合わされるトランスミッションは7速DSGで乾式のDCTが継続搭載されている。

また前後のバンパーデザインが変更されたため、全長が変更され4085mmとなっている。MC前と比較し10〜25mm延長している。他のサイズには変更なく全幅1750mm、全高1450mm、ホイールベース2550mmとなっている。

ポロの良さが際立つ走り

試乗車は「スタイル」グレードでメーカーオプションでディスカバープロ(15万4000円)とフロアマット(3万3000円)を装着し、車両価格343万2000円、本体価格324万5000円のモデルだった。

試乗エリアは箱根のワインディング。あいにくの雨と霧の中での試乗だったが、手に伝わる路面のグリップ感やボディ剛性のしっかり感、ステアした時の思い通りの動きなどポロの良さが際立って伝わってくる。悪条件になればなるほど、そうした特徴が分かりやすくなるものだ。

新世代のEA211evoエンジンはバリアブルジオメトリーターボ機能の搭載により低回転からトルクを発揮するようになり、さらにミラーサイクル運転をするとこで環境性能の向上もある。燃費はWLTCモードで16.8から17.1km/Lへとわずかに向上している。むしろ燃費向上より低回転からのトルクのつながりが向上していることを実感する。

先代と同じ排気量ながら高効率なエンジンへ進化

乾式のDSGは駐車場や微低速からの加速などでややギクシャクする場面も見受けられたが、今回のMCではそうした動きは一切なく、普通に操作できる。さらに交差点をまがるような速度域からの加速もスムースに回転は立ち上がり、ストレスなく動かすことができた。

デジタル化されたインテリア

先進的なインテリア空間にアップデートされた

インテリアは大きく変更されている。アナログ表示のものが一蹴され全てデジタルクラスターになった。メーターパネルはフルデジタルで地図表示もできる。そしてセンターには9.2インチの大型モニターを搭載したディスカバープロ(メーカーオプション)が装備され、さらに、タッチコントロール式エアコンディショナーパネルに変更されている。

先進性を求めるがために、運転中の操作性については賛否あると思うが、こうしたHMIは革新的なアイテムの過渡期であることの裏返しとも言えるだろう。またこうした装備類、先進安全装備や高度運転支援システムなども含め、個々のリテラシーが影響するため、評価は分かれると思う。

その先進安全装備、快適装備では数多くの上級装備がこのポロにも降りてきている。例えばワンプッシュで稼働するトラベルアシストは同一車線内全車速対応し、設定した車速内で前走車との車間及び走行レーンを維持、サポートされる。

LEDマトリックスヘッドライトIQ LIGHTはフロントカメラで対向車や先行車を認識し、最適な配光をする。またリヤのテールランプ形状を変更しターンシグナルも連続で光るダイナミックターンインジケーターへと変更された。

こうした装備はパサートやアルテオンには装備されているものだが、上級装備だったものがどんどん当たり前品質へと変貌している最中というわけで、ユーザーメリットは大きい。

ちなみにGTIは2022年本国でMCされているので、年末から23年には国内導入されると予測する。エンジンは2.0Lターボを搭載しているので、相当なレベルのダイナミック性能が期待できる。<レポート:高橋アキラ/Takahashi Akira>

価格

TSI Active Basic 257万2000円
TSI Active 282万1900円
TSI Style 324万5000円
TSI R-Line 329万9000円

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