2013年11月18日、VWは「FIA 世界ラリー選手権(WRC)」の最終戦となる第13戦「ラリー・グレートブリテン」に3 台の「ポロR WRC」で出場し、フランス人のセバスチャン・ オジェが今季9勝目を挙げ、フィンランド人のヤリ・マティ・ラトバラが2位、ノルウェー人のアンドレアス・ミケルセンは5位に入った。オジェ選手とラトバラ選手は前戦スペインに引き続き、シーズン2度目となる1-2 フィニッシュを達成。最高の成績で2013年の戦いを終えた。
2013年11月14日に開幕した「ラリー・グレートブリテン」は、ウェールズのディーサイドを中心に開催される「グラベル(未舗装路)」ラリーだ。この時期特有の気候により雨が降ることが多く、スペシャルステージの路面は泥だらけで滑りやすい。競技は夜間のSSや公園内の道路など様々なコンディションの下で行なわれ、最終日のSS19 は、上位選手にボーナスポイントが与えられる「パワーステージ」が設定された。
グラベルラリーは路面を覆う土埃の影響により、出走順がタイムに影響する場合が多いので事前に予選を行ない、好成績を収めた選手から任意に出走順を選択できる予選方式が導入された。14日の午前中に行われた予選ではオジェが1 番手、ラトバラが4番手、ミケルセンが9番手を獲得した。
今回のラリーでは路面が泥濘化した区間が多く、コースが荒れるのを警戒したラトバラは1番手、オジェは2番手、そしてミケルセンは9番手スタートをそれぞれ選択。
14日の午後にラリーは開幕。この日設定されたSSは3カ所はいずれも夜間ステージで、ラリーカーはそれぞれ追加ヘッドランプを装着してSSに挑んだ。オジェはこのうちふたつのSSでトップタイムを獲得し首位に。ラトバラも3番手につけた。またミケルセンは6番手。
15日の2日目は6SS、計137.06kmの行程だ。この日最初のステージとなったSS4ではアンダーステアに苦しみながらもオジェが首位を堅持、SS6ではラトバラがライバルをかわして総合2番手に浮上した。SS7 ではオジェ、ラトバラ、ミケルセンがSSのトップ3を独占した。3日目の16日は、ミケルセンが奮闘。この日序盤のSS10 とSS11で連続トップタイムを獲得し、総合6番手から4番手へとポジションアップ。また、ラトバラもSS12~14でトップタイムを出すなど、「ポロR WRC」の速さを発揮した。
競技最終日となった17日、総合3位を狙ってスタートしたミケルセンはいくつかのステージでスピンヤコースアウトし、ライバルにかわされ総合5位でラリーを終える。オジェとラトバラは順調に上位をキープ。危なげなく「ポロR WRC」をゴールへと導き、前戦に引き続いて1-2 フィニッシュを達成した。
この最終戦「ラリー・グレートブリテン」でVWモータースポーツは参戦初年度ながら13 戦中10勝目という結果を残し、マニファクチャラー、ドライバーチャンピオンの両タイトルを獲得。参戦初年度で最高の結果で2013 年シーズンを終えることになった。