2015年9月に日本導入を開始した「ゴルフ GTE」に続き、VW(フォルクスワーゲン)のPHEV(プラグインハイブリッド)第2弾として「パサート GTE」がついに登場した。注目はなんと言ってもパワーユニットで、ゴルフ GTEから改良が施されている。
プラグインハイブリッドのドライブシステムは、アイドリングストップ機能Start/Stopシステム」とブレーキエネルギー回生システムを備えた「ブルーモーション・テクノロジー付きの1.4 TSIエンジン、ハイブリッド専用の3クラッチ内蔵6速DSGを搭載。このエンジンとトランスミッションの間に、発電機を兼ねた電気モーターを挟み込んでおり、リヤに外部からの充電が可能なリチウムイオンバッテリーを搭載する。この基本的なレイアウトはゴルフ GTEと同じとなる。
直列4気筒直噴ターボの1.4 TSIは、ゴルフ GTEの150psから156psへ最高出力を向上。さらに摩擦低減や耐摩耗性、耐熱性を改善する改良が各部に施されている。一方、電気モーターも最高出力が向上しており、75kWから85kWとなっている。それに伴い、リチウムイオンバッテリー総電力量が8.7kWhから99kWhへとアップしている。
これらがゴルフ GTEとの違いで、パサート GTEのシステムパワーは218psに達し、0-100km/h加速7.4秒、最高速225km/hを記録。電気モーターのみでの走行は最長で51.7km(JC08モード)、最高速130km/hとなる。また、カタログ値のJC08モード燃費は21.4km/Lを記録している。
外部充電は、ラジエターグリルのVWエンブレム横にある電源ソケットを配置。フル充電までの所要時間は200Vの家庭用電源で約4時間で、即充電のほかタイマー充電も可能。急速充電には対応していない。
ドライブモードは「Eモード」、「ハイブリッドモード」、「GTEモード」、「バッテリーチャージモード」の4つを用意。EモードはピュアEVのように電気モーターのみの走行で、航続距離のカタログ値は前述の通り。ハイブリッドモードはエンジンと電気モーターの併用で、バッテリー残量が低下したときや大きな駆動力が必要な場合に自動的に切り替わる。また、このモードではエネルギー回生によるバッテリー充電を行い、バッテリーレベルをつねに一定以上に保つ。
GTEモードはスポーティな設定で、TSIエンジンと電気モーターが最大のパワーを発生。同時にアクセルレスポンスや電動パワーステアリングのアシスト、DSGシフトプログラムがスポーティな設定となる。加えて、オプションのアダプティブシャシーコントロール「DCC」を搭載している場合、シャシー特性も変化してサスペンションの反応がより引き締まる。
バッテリーチャージモードは、TSIエンジンがメインの駆動力となり、電気モーターは発電機(オルタネーター)として機能。これは任意に選択することもでき、積極的にバッテリーに充電したいときに使用するモードとなる。
このほか、パサート GTEには先進技術が多数採用されている。その象徴となるのがデジタルメータークラスター「Active Info Display(アクティブ・インフォ・ディスプレイ)」で、1440×540ピクセルの高解像度12.3インチ大型ディスプレイに、2Dまたは3Dのアニメーションで様々な情報をグラフィカルに映し出す。また、自動でステアリング操作を行い駐車をサポートする「パーク・アシスト」なども導入される。